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経緯

 要は、はじめの3,4ヶ月は医者たちが極めて積極的かつ楽観的な見通しを示していたのに、2001年6月の上旬に、経営陣ができるだけ穏便に入院をことわるという決定をくだし、それ以後現場の医師たち、とくに整形外科部長がその役割を担ってきた、ということです。昨年この医療センターで起こった極めて重大な医療ミスの事件が、裁判になり、それが経営陣をかなり萎縮させてしまってもいるのでしょう。
 もちろん、表向きには厚生労働省の内規のようなものがあって、それに従うと、家族やそれに準ずるもの以外の"つきそい"は認められないことになっています。なにしろ「完全看護」が建て前なのですから。ただしそれには除外規定があって、「児童、知的障害者などの場合」は、そのかぎりではない、ということになっているらしいのです。
 経営側はその規定を防壁に使って、厚生労働省の許しがないかぎり、入院は認めないと言ってきた。実際には、障害者団体のねばり強い交渉によって、もう少しで「児童、知的障害者などの場合」というときの「など」の解釈を、脳性マヒなど重度障害者の場合には、もっと柔軟に運用せよ、という意味の通達を、厚生労働省から各都道府県に出す、というところまでいっているにもかかわらず・・・。
 障害の進行は、制度の整備を待ってはくれません。わたし自身の得意とする"ねばり"や、半分はいたずらごころでしかけた"かけひき"も、今回はついに通用しなかったということです。なんともはや!

(2001.10.16)