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2006.02.12

常勤の日勤/夜勤ヘルパー急募!!

 いま、えんとこではヘルパーを切実に募集しています。特に夜勤は3人でシフトを組んでいます 風邪などで寝込んだらと考えると・・・。
 安定した介助体制で安心した介助ができるよう、みなさんはもちろん知り合いの方々にも声をかけていただけると有り難いです。
 募集しているヘルパーは、常勤の日勤夜勤のヘルパーです。
ボランティアセンターや雑誌などにも募集をかけていますが反響がありません。そこで、滋さんやえんとこのことをよく知っているみなさんの知人でよいひとがいるのでは! との想いからお知らせします。
 2ヶ月の研修で春から一人立ちできたらと考えています。



2005.06.04
書評 いのちを生かす輪
白砂巌著『障害者が語る現代人の生きざま。あなたのいのちが世界をひらく』(明石書店)
大津留 直

 われわれの日常を支配している喧騒からふと立ち返って、己を省みるとき、われわれはそこに大きな不安が渦巻いているのを認めざるを得ないであろう。特に、私のようにかなり重度の脳性まひによる障害を負っている者にとって、加齢とともに障害が加速度的に増してゆく現実を直視すれば愕然とならざるを得ない。私は現在、ポリオの後遺症から来る軽い障害のある妻と協力して何とか介助者なしの生活を送っている。しかし、何年か後には寝たきりになっている自分を思い浮かべ、そのとき自分の生活はどうなってしまうのだろうと、なんとも言えぬ不安に襲われることがある。それは、現代日本の年金や福祉がほとんどあてにならない現状を鑑みると、ますます痛切である。
 われわれの心にうずくこのような不安をごまかすためにこそ、われわれ「現代人」は、目先の刺激を追い、他者との競争に浮き身をやつし、「忙しい、忙しい」を連発しているのではないか。このような不安は、むしろ、そのようなごまかしから一度身を引いて、われわれ自身の「いのち」に目を遣るようにという「いのち」自身からの警告であり、呼びかけなのではないか。
 本書は、そのような根本的な問いに導かれて、われわれ自身のいのちを生かし合う輪を結び、広めてゆこうとする運動のドキュメントであり、その運動への参加への呼びかけである。それは、具体的には、「ケアを前提とした共同住宅」を建設し、自ら運営してゆこうという構想を一歩ずつ前進させてゆく著者白砂巌氏の忍耐強い作業とその盟友遠藤滋氏の主に精神的な支援である。この遠藤滋氏は重度の脳性まひを負いながら、都立光明養護学校の国語教師として教鞭をとっていたのであるが、脳性まひの二次障害である頚椎症が悪化し、十年以上前より寝たきりの状態になってしまった。彼は自分で自分の介助チームを組織し、地域の人々との連携の上に立った自立生活を実行している。その生活は、彼の大学時代の友人である伊勢真一監督によって『えんとこ』というドキュメンタリー映画として作品化されている。
 白砂氏自身もポリオの後遺症で下肢に軽度の障害がある。この障害を持つことによって、彼はかなり若い頃よりいろいろな社会問題に気づかされ、たとえば、死刑囚による再審請求を支援する運動などに積極的に参加してゆく。しかし、このような社会・政治運動への参加によっては満たされない何かを感じ始めていた彼は、遠藤氏との出会いと対話を通じて、そのような運動も、自分のありのままの「いのち」を生かすという中心的視点を欠いては、ふたたび抑圧に陥ったり、己を見失って挫折してしまうことに気づいてゆくのである。
 その遠藤氏の障害の悪化によって、前述の構想の実現が挫折の危機を迎えたことは想像に難くない。しかし、彼らはむしろそれをバネとして少しずつではあるが運動を前進させてゆく。白砂氏は最初、東京における遠藤氏の介助チームに参加しながら、伊豆との間を往復する。伊豆に共同で買い求めた甘夏の段々畑を開墾し、車がやっと通る通路しかなかった山地に、駐車場を兼ね備えた宿泊小屋や畑を作ってゆく。遠藤氏の介助チームが一応軌道に乗った後、彼は蜜柑農園における開墾と農作業に専念する。将来あちらこちらの都市近郊に建設されるべき共同住宅のネットワークを作ってゆく上での一つのきっかけにしようと、多くの障害者や地域の仲間たちを巻き込んだ農園作りの作業を彼は進めてゆく。遠藤氏も一年に一回はストレッチャーに乗って、介助チームに付き添われてこの農園を訪れている。
 本書はこのような困難な作業の合間を縫って、白砂氏によって書き溜められたテクストを纏めたものである。その際、遠藤氏の障害の悪化によって、細かいところまで共に検討することはできなかったにせよ、その思想の根幹における遠藤氏との共振がいかに強く白砂氏を支え続けたかは本書の行間から明らかである。そして、本書において、「現代人の生きざま」が「いのちの有りよう」との関係において批判的に語られるとき、それによって理論的な状況分析が著者によって目指されているわけではない。そこで語られる「いのち」は、実はそのまま、彼らの「ケアを前提とする共同住宅」を建設する実践的な活動に直結しているのである。それは、そのプロセスにおける自然や社会との格闘であり、障害を持つ仲間への励ましや哀悼、地域の人々との忍耐強い付き合い、そして、なかなか腰を上げない役所との、寝たきりの遠藤氏も参加しての根気強い交渉である。その中で、自分たちのいのちを掛けた作業が、自然のいのちとの喜ばしい出会いと連帯、また、障害者・非障害者という違いを超えた人々とのいのちといのちをつなぐ出会いと連帯という「世界」を切り開いてゆくという経験がなされてゆくのである。それが「あなたのいのちが世界をひらく」という本書の副題の意味するところである。
 本書の「おわりに」において『常陸国風土記』から「足柄山から東にある諸国の男女たちは、春の花が咲く季節に、また秋の葉がもみじづく季節に、たがいに誘い合い列をなして、食べ物や飲み物を持ちより、筑波山に馬や徒歩で登り、宴を開いて遊び楽しんだ」という一節が引用されている。白砂氏や遠藤氏が提唱する「ケアを前提とした共同住宅」は、このような「宴の遊び」の夢を基に構想されたものであり、そこにこの構想の唯一性があるように思われる。最初は少々とっつきにくく思われるかもしれない本書は、実は、この自然と人間との「いのち」の宴とそこで行われる遊びへの心こもる招待なのである。
「遊び」は日本古代において、もともと「神として歌舞すること」を意味したことを思えば、ここで言われている「遊び」が、われわれの「いのち」をありのままに受け入れ、それを互いに精一杯生かし合うことを意味することは明らかであろう。われわれが「いのち」を所有しているのではなく、「いのち」がわれわれを通して歌舞しているのである。

〜大津留 直 プロフィール〜
大津留 直(おおつる ただし)
・哲学博士(チュービンゲン大学)
・関西学院大学非常勤講師
1947年 三重県生まれ。脳性麻痺のため歩行・言語障害。
1954年〜1963年 東京都立光明養護学校小学部・中学部在学。
1972年 早稲田大学修士課程終了後、ドイツ ベーテル神学校・チュービンゲン大学へ留学。
1992年 ドイツ チュービンゲン大学より哲学博士号取得
現在 関西学院大学非常勤講師
著書 『正義とディケー ‐ ハイデッガーのニーチェ解釈における自己批判としての思索の道』(ドイツ語)
論文 『障害と健康』(『現代思想』2000年9月号)・『言葉への道。芸術の現象学へ向けて』(『思想』2004年12月号)など
1995年より短歌結社「あけび」会員
現住所
〒839‐1332
福岡県うきは市吉井町福益 903‐4
電話・ファックス
0943‐75‐4472
E−mail
otsuru-tadashi@mvc.biglobe.ne.jp

2004.12.3
今後のえんとこ

 11月26日に話し合った、今後の『結・えんとこ』と「えんとこを支える会」の内容を要約しました。
・『結・えんとこ』での遠藤滋のケースについては、急速な身体状況の悪化で微妙で難しくなった介助のため、早急なヘルパーの固定化をせざるを得ない状況になりました。何人かの常勤ヘルパーが身体状況を把握し継続的に関わっていくことが必要なのです。
 しかしヘルパーを固定化することで、いままでの自発的に発生した介助者グループ“えんとこ”の輪を途絶えさせてしまうのは大変もったいないことです。ヘルパーの仕事内容を少しずつでもできるひとを増やして、関係をひろげていく方向でヘルパー体制を整えたいのです。
 具体的には12月以降、介助者グループ“えんとこ”から数人平日昼間の仕事にも参加して頂くことになりました。今後も夜勤介助や夕食介助、日中介助の研修をする機会と介助にあたる機会、研修会を続けることで、皆様の介助としてのかかわりを模索し保ちたいと思っています。皆様の介助でのかかわりの意見をぜひ聞かせてください。あらたな介助関係が創造できるかもしれません。
・えんとこを支える会では具体的な動きを始めたいところです。甘夏の販売・商品開発(伊豆でおこなうのもよし)や映画「えんとこ」自主上映会など、やりたいことを介助者各々でだして今から動いていきましょう!

白砂巌著書が出版されます!!

10月22日 いよいよ発売
障害者が語る現代人の生きざま
あなたの“いのち”が世界をひらく
白砂 巌 著
明石書店 定価1890円(消費税込)


 白砂氏とは、1985年に『だから人間なんだ』をともに編集して以来、基本的に“いのち”やひとの生き方についての認識と感覚を共有しながら、それぞれの場所で、それぞれのとりくみを重ねてきました。
 当時のキーワードは「ありのままのいのちを祝福して生きる」でした。
 以来、おたがいにいろんな人々とのあいだでいろんな議論をくりかえす中、それぞれの視座も多角的なものになってゆきました。
 今回の著作でのキーワードは“いのちを生かし生かしあう”ことです。この本は、いわばそれについての積極的な提言ともなっています。
 残念ながらわたしたちが19年のあいだに具体的にできたことといえば、「ケア生活くらぶ」を立ちあげ、西伊豆に交流農場をつくる作業がすすんだこと。それに、東京で「いえとまち」の調査がわずかなりともすすんだことです。
 昨今の世の中のありさまを見るにつけ、なんともはがゆく、またもどかしい。

 わたしが書いたら、また違った表現になるのでしょうが、いまのわたしにはそれができません。いいたいことのほとんどは、かれに託さざるを得ません。
 新しい「えんとこ」がすこしでも状況をひらく起爆剤になれたら…。

 ぜひ読んでみてください。そして他のひとにもすすめてください。

 思いもよらなかった世界が自分の前にひらかれてくるかもしれませんよ!

(2004年11月1日 遠藤 滋)

2004.5.30
介助ローテーションについて

 今、介助に入ってます。今日の滋氏は9時15分に起床し、今朝食中。おしゃべりをしながらゆっくり食べています。
 さて、5日(土)の泊まりは入れますので、まだ繋がっていないようなら入ります。ホワイトボードには名前を書いちゃいましたので、よろしく。
 あと、昨今は新しく研修をする人が増えてきているので、既存の人ばかりでシフトを繋いじゃうと、新しい人が定着しないから、その辺は専従ヘルパーと綿密に連絡を取って、研修を終えて独り立ちできる人を優先的に入れてあげてください。今はいいけど、ゆくゆくは新しい人がここの要になっていくわけだからね。

2004.5.22
事業所移行にあたっての説明会

 いま準備を進めている「えんとこ」の事業者(基準該当団体)化について。これはずっと反対してきた支援費制度を、この際いわば逆手にとって自らの身体の状態の悪化を食い止めることができる環境を一時的にでも作れないかと考えたのがキッカケです。
 これによって時給はかなり上げることができます。でもみんなには相応の責任を負ってもらうことになります。自己研修や相互研修に関することです。ぜひともご参加下さい!

2004.4.30
えんとこが生まれ変わります

 5月1日付で、「えんとこ」に事業者認定が下りることになりました。中旬頃までに「えんとこ」は事業所「結・えんとこ」として再出発します。一方で今の社会の仕組みを踏まえながら、他方でこれまでの「えんとこ」ならではの持ち味をいかし、将来に向かっての“夢”を、より鮮明にしたいと思っています。近いうちに説明会を開きますので、よろしくご協力をお願いします。
 とりあえずこれからの「えんとこ」はこれまでの延長ではないということを心積もりとして持っておいてほしかったので、お伝えします。

2003.9.24
介助にあたってぜひとも共通理解としておいてほしいこと

 わたしの生活が国や地方自治体の制度によって成り立っている以上、現実の問題としてそれを無視することはできない。でも、本当は自分たちで国の政治や経済のあり方をそう簡単に変えることなど、じつはほとんど不可能に近い、と思っているのです。
 わたしにとっては、気づいたひとが自ら“いのちをいかしあう”関係を日常具体的なところで、結んでゆくことに期待するしかないのです。『ケア生活くらぶ』と名付けた、白砂氏との構想が、遠いように見えてじつはもっとも近道なのだと確信しています。逆にそれによってしか、国も地方自治体もかえられないと思う。
 なにせ、個人や国だけの利益(国益)をはかるという原理でしか積極的に動けないひとたちばかりなのだから。

 「支援費制度」関係のことだけでなく、こうした自分たちのいのちをいかしあう関係づくりにも関心を持ってください。


2003.5.23
驚いたことですが…

 中学3年生用のあたらしい道徳の教科書に、映画「えんとこ」を紹介した例の天声人語の文章が載っているようです。
 これをきっかけにして、7月3日に(遠藤宅前の)梅ヶ丘中学校で、改めて上映会が行われることになりました。



2003.5.23
とりあえず気がついたことをお伝えします

 ひとつは、介助体制のこと。これまでは基本的に一コマを4時間にしていたのを、8時間にしたことです。これは、交代をできるだけ少なくして、可能な限り二交代制に近い形にしてゆくためです。
 専任ヘルパーは9時から19時までの10時間。ただしこれにダブる形で、17時から21時までは、夕食関連のコマを残します。新人が一番入りやすい時間帯だからです。
 土、日、祝祭日には、前日の21時から入ってくれた人に、13時までいてもらいます。13時からの人は、21時まで。基本パターンはこんな感じです。
 もうひとつは、今の体の状態と、介助方法についてです。これはまだ検査中なのと、専門家に相談して模索中なのとで、詳しくはその都度お知らせします。