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遠藤 滋
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遠藤さんの一日


 平日のカーテンを開けているのは、日中を担当する専従ヘルパーです。朝の9時にやってきて、泊まりのボランティアと交代します。さっそく洗濯機をまわし、朝食の準備をしながら介助者が自由に書き込むノートをぱらぱらめくります。だいたい10時頃、遠藤さんが「はーい」と起きる合図をすると部屋に入っていって、カーテンを開けるのです。

 食ペること、眠ること、クスリを飲むこと、おしっこをすることからはじまって、考えをワーブロでまとめること、音楽を聴くこと、あたまのかゆいところをかくことなど、生活のひとつひとつの行為に介助者の手が関わります。ボランティアの手は実に様々で、てきぱきしたのもあリますし、ゆーっくりしたのもありますし、せかせかしたのもあります。その多様さを味わうのも、遠藤さんの楽しみのひとつです。

食べる
 朝ごはんは、介助者が作る定番メニュー『ロールバン、チーズ、卵、日替わりお手製即席野菜ジュース、コーヒー(冷ましてストローで飲む)、ヨーグルト(チチヤスがグウ)』を1時間30分〜2時間ぐらいかけて食ペます。晩ごはんは、去年から受けている食事サービスで、こちらは3時間から5時間かかります。週末は、近くに住んでいるお母さんが作ってきてれます。
 ごはんは枕元に座った介助者がスプーンかお箸でロ元に運ぶ。喉に詰まらせるといのちに関わるから、噛んでいる時間はかなーり長い。「はい」と言ったら次の一口。食べるとき頭が左右に振れやすくなるので、片手で押さえます。食べる合間に話が盛り上がると、食事時間はどんどん長くなります。

巡りをよくする
 「生きている」という状態を維持することに、一番エネルギーを注ぎます。
 日中の13:00〜17:00は、はり治療、気孔、入浴、プールでのリハピリなどがほとんど入っています。水の中だと体の緊張が抜けてずいぶん楽になるんだそうで、夏は、ケア生活くらぶの農場の伊豆まででかけ、ラッコの如く海や温泉に浮いています。
 これらはみんな緊張を抜いて、からだの中の様々な巡りをよくしようとしています。うんちやおしっこがちゃんとからだから出てくるというのも大事なことだったんですねえ。
 夜は、泊まりの介助者が30分ほどリハビリをします。リハビリが終わって飲む純米酒も一日の緊張を抜き取るのが目的です(一応)。

見る
 新聞はとるのをやめたし雑誌や本に目を通すこともほとんどない生活なので、テレビが主な情報源。話せない食事中に見る。衛星放送のクラッシック音楽やNHKの番組が中心。TBSのニュ−ス23も定番。
 郵便物は頭を押さえてもらって目の上30センチのところで読む。そろそろインターネットを接続したいのだけど、時間の余裕があるか不安でもあるし、なによりその技術・知識を持った人がなかなかいません。
 ホームページがつくりたいです。

書く
 えんどーさんは体が動かないから、「伝える」ことが動ける人よりいっそう重要な位置をしめる。伝わらなくてもひとりでやってしまえ、という動きかたができないので。
 今してほしいことを声で伝えるのはもちろんだけど、生活が整ったらえんどーさんのしたいことは書くことに集中する傾向がある。
 ワープロで何かを書くときは、この「伝える」という作業が大仕事になることもある。まず口で介助者に内容を伝えようとするけど、なかなか通じないこともある。ようやく言葉が通じて、いざ介助者がワープ口に打ち込もうとすると操作方法がわからない。それで、今度は、操作の方法を伝えることになる。ようやくいうとおり操作できたと思ったら、今度はワープロが言うことをきかなくなったりして、文章を書くのも体力仕事になっています。
 でも、遠藤さんは、こうやって生きていること自体がぼくの一番の表現なんだようと言っていました。

眠る
 お酒がほどよくまわり介助者とのおしゃベりもすんだら、そろそろ寝る時簡になります。介助者は、えんどーさんの腰が痛くならないように膝をたて、手は体の下敷きにならないように右手はお腹の上に、左手は胴に沿わせます。湿度を保つため、ふとんを顔にあたらないように上まで引き上げる。体位交換機(体の向きが返られないので、床ずれ防止のために左右にペッドがゆらす機械)のスイッチをオン。落下防止の柵を両側に取り付け、電気を消してお休み。遅いときには4時頃になります。