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頸椎の障害に関して わたしの頸椎の変形は、もともとの障害である“脳性マヒ”によってもたらされたものです。とくにアテトーゼ型といわれる、極めて緊張しやすい障害によって…。 そしてこれは、たんに固定した原因と結果にすぎないように理解されがちです。 しかし、実はそうではない! 本当にやっかいなのは、いまだにわたしが緊張性の強い脳性マヒという障害を持ち続けている、ということです。 つまり、わたしのこの「変形性頸椎症」は、“脳性マヒ”による首や肩などの筋肉の緊張によって、いくらでも進行していってしまう、ということです。 “脳性マヒ”、とくに緊張型の“脳性マヒ”の顕著な特徴は、精神的なストレスや不安による緊張が、そのまま肉体的な筋肉の緊張として現れてしまうことです。 心の中の不安や動揺が、身体の動作のちょっとした失敗として現れてしまうというような経験は、たいていの人が少なからず持っていると思います。わたしのこうした症状は、それがつねに極限に近いまでに現れている状態だ、といったら、わかりやすいでしょうか? わたしはこの5月、国立育成医療センターで、MRIの断層写真を撮ってきました。その所見は、3年前の写真とほとんど変化がない、とのことでした。でも、この写真にもし明らかな変化があったとしたら、この程度ではすまない激変が起こっているはずだ、ということも知っています。 自覚症状に著しい変化がある以上、決して安心できないのです。 症状の変化をもっと具体的にいうと、少なくとも去年の秋頃までは足首から先だったしびれが、腿から下全体に広がってしまっていることです。とくに腿の前面がひどく、そのあたりの筋肉の緊張も、激しくなっています。 手首から先だった手のしびれの感覚も、肘より上にまで広がってきているし、以前から悩まされていた排尿障害も、いっそうひどくなりました。もっとも、この排尿障害については、多分に内科的な要素もあるので、まだ必ずしも原因がはっきりしているとは言えませんが…。 ひと月に一度、往診してもらっている「桜新町リハビリテーションクリニック」の長谷川先生にも、このことを相談してみました。 はじめは「首に衝撃を与えることがあまり頻回になると…」といっていた先生も、長時間にわたって食事をし、それに続いて歯磨きなどをしているうちに、だんだん首の周りの緊張が強くなってきて、頭がそっくりかえるような力が働き、足のしびれが強くなってしまう、というわたしの訴えを聞いて、考え込んでしまいました。 純粋に医学的な見地からいえば、たとえば今も使っている、ネックカラーのようなもので抑制するのが、望ましいようです。でも、そうすると食事などに必要な動作がますますしにくくなり、日常生活にまた大きな影響を与えてしまう…。 そのことも、先生はよくご存じでした。だから、考え込んでしまったのです。 さしあたっては、もう一つ新しい筋肉の弛緩剤を処方し、それでしばらく様子を見ることになりました。それが精一杯の判断だったのだと思います。 しかし、同じクリニックから毎週一度訪問リハビリに来てくれている、理学療法士の柏さんによると、3月、4月のころの状態に比べると、わたしの首や肩のまわりの筋肉の緊張は、すこしずつ緩んできているといいます。 にもかかわらず、ここ一、二ヶ月の症状の進行は、いったいなぜ起こっているのか? 実際のところは、まだ分かりません。三時間以上はかかる夕食や、それに続く歯磨きなどの間に、身体がどんどん緊張していってしまうところを、まだ見ていないからかも知れません。 でも、かれは言っています。 「遠藤さんの場合、首の筋肉のポイントをおさえて揉みほぐしてあげれば、すぐに緩むんだよなぁ…」と。 筋肉がいったん緊張した場合、その場でほぐしておくのが、ほんとうは望ましいのだそうです。そうはいっても、なにぶん素人ばかりの介助者集団ではねぇ…?! それでも、ここに柏さんに作ってもらった「遠藤さんの硬くなり易い筋肉」という図があります。筋肉の緩め方をビデオに撮り、CD-ROMに落としたものもあります。もちろん複製もできます。 これらの媒体を最大限に活用して、たとえば馬油でマッサージするときなどに生かしてもらえたらと願っています。研修会などの機会を設けることも考えられます。 それから、これに先立ってのことですが、お世話になっている管理栄養士の松月さんの提案で、食事の仕方を少し変えました。 もし、食事の途中で身体の緊張が強くなったり、あるいは疲れてきたりした場合、むりに完食をめざすのではなく、その時点で食べるのをやめて栄養剤に切り替える、ということです。 「北沢訪問看護ステーション」の松井さんには、医療保険の対象となる専門のマッサージ師を紹介してもらうことにもしています。 この場合は、いったいいつその時間をとるかが問題になってくるでしょうが…。 |