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システム変更の経緯

 えんとこでの介助ローテーションは、これまで遠藤の部屋のホワイトボードに直接名前を記入すれば、それがそのまま決定、ということになっていました。介助者が少なかったということもあって、なかばは冗談で「早い者勝ちだよ」などとも言っていたのです。
 実際には、ほとんど「電話当番」のひとが、名簿の中から電話で都合がつくひとをさがし、それに応じて来てくれるひとによって、介助がひきつがれ、なんとかかろうじてぼくのいのちが維持されてきたのです。

 ところが最近、時としてその様相が変わってきているのです。
 世間的に「仕事」が少ない時代になっているところへ、いまのところぼくは介助料を時間あたり700円払えているので、ボランティアとはいっても、ちょっとしたアルバイト感覚で来るひとが増えたのかもしれません。例の映画の影響もあるでしょう。

 とにかくこれまでのやり方では、ぼくの介助は望むようにはできなくなってきています。たとえばひとりのひとが一定の金額を収入として得ようとして、それこそ早い者勝ちでどんどん埋めていってしまうと、他のひとがなかなか入れません。そうすれば、それらのひととの関係が、それだけ薄くなっていってしまいます。

 何人かの決まったひとにずっと任せていられれば、たしかに慣れたひとなのだから、その限りでそのときは楽かも知れません。でも、それでいい気になっていたら、そのひとの都合で来てもらえなくなったとき、因ってしまいます。



 すくなくとも、ぼくに絶えずなんらかの具体的な形で関係を保っていてくれるひとがいさえすれば、たとえ政治や社会が自分たちにとって望まない方向に進んだとしても、かえってそれを逆手にとって、ほんとうに自分たちのちからで、お互いにそれぞれのいのちをいかしあいながら生きる、そんな関係を本気で割り出す好機にも転ずることができるかも知れない。

 たとえば今年4月から実施される介護保険という制度。3年からおそらく5年後には、65歳以下の障害者にも適用されることになるようです。しかし、これがいまの認定基準で計画どおり機械的に導入されたとして、ぼくの場合、単純に金額で計算しても、介護料は今の半分にもなりません

 しかも今の世田谷のような、ヘルパーの個人的なかたちでの「推薦登録」を含めて、これまで25年もかけてやっと勝ち得てきた諸制度との併用が認められるかどうかもわからないのです。おそらく、併用というよりは、移行に近い形を”おとしどころ”とすることを区はねらってくるのではないでしょうか? 明らかに、今のぼくの生活は成り立たなくなる。

 そういう危険性をも、抜け目なく自分たちみずからの可能性として生かすことをねらいながら、それらのひとたちとの間で、ぼくは残りの人生を、柔軟に、そしてなおしたたかに生きてゆきたいと思っています。
 この心意気に感じて、お互いに助けあえるひとがいれば、今後ともよろしく!