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総合福祉センターのそと

 総合福祉センターには建物の南側に非常階段があります。また、東側には非常用スロープがあります。非常用スロープは総合福祉センターの裏庭へとつづき、さらにその周囲にはレンガづくりの一般の緑道があります。


 (非常階段)

 3階の南側には、非常階段用の出口があります。
 非常階段の幅は 110cm, 一段の高さ 15cm, 一段の奥行 30cm, 段は12段ごとに踊場があります。踊場の奥行は 130cmでした。手すりの高さは床から 85cm。非常口を出て階段までの間に高さ 15cm のパイプが横たわっており、通るときに邪魔になっていたのが気になりました。
 (3階東側の非常口)

 こちらは東側の非常口。ガラスの扉を出ると非常用スロープがあります。ここから1階までスロープが続きます。
 非常口の幅は全体で 183cm とかなり余裕がある様子。手前のコンクリートの部分の広さは 270cm でした。
 (非常用スロープ1)

 スロープの勾配はすべて4度。左右の幅は 155cm でした。
 (非常用スロープ2)

 途中、このように何度も折り返しがあります。
 (非常用スロープ1階)

 ここでスロープはいったん終了します。通常はこのように柵で閉じられています。

 このような非常用のスロープというのは、普段あまり見かけないのでとても印象的でした。本当ならば、建物の両側にスロープをつけることができればよいのですが、それにはスペースの問題などがあるのでしょうか?
 でも、非常事態が実際に起きれば建物の反対側へわざわざ移動している時間がなかったり、物理的にそれが不可能な場合もあるかもしれません。そう考えると、両方ともスロープでできていてもよいのではないでしょうか?
 (非常用スロープ出口後)

 非常用スロープが終了し、総合福祉センターの裏庭へ出ます。ここは外部の緑道からは少し高くなっていて、緑道へでるためのスロープが写真右手にあります。
 スロープの勾配は全体的に4度でしたが、短い距離で円を描いたような形をしているのでカーブが急で、そのためスロープが8度も左右に傾斜していました。
 (総合福祉センターの外から1)

 ここは上の写真にある、急なスロープを下りてきたところ。一般の緑道ですが、中央の木を中心に広場のようになっています。
 ここではレンガが円を描くように敷かれていて、見た目には問題ありませんが、実際に車椅子で通ると凹凸が多く、かなりの振動が伝わってきました。
 (総合福祉センターの外から2)

 こちらは北側のいりぐち。総合福祉センターの職員用駐車場のある方から、正面玄関へつづく道です。駐車場と通路の段差はありませんが、やはりレンガづくりの地面というのは、車椅子にとっては振動の原因になってしまいます。
 (総合福祉センターの外から3)

 西側から正面玄関と総合福祉センターの全景を写したものです。
写真で見ても分かるように、建物の正面は円を描いた形をしています。1階は正面玄関、2階と3階は大きな窓になっており、建物にたくさんの光をとりこめる造りになっていたのが印象的でした。
 また、建物の中の造りもそれに合わせてできており、直線的な廊下に各部屋が並んでいるのではなく、廊下も45度に曲がっていました。そのためにできる遊びのスペースをうまく利用して、自動販売機コーナーや給湯室が造られていたのも印象的でした。


<まとめと感想>

 健常者の立場で、また普段あまり総合福祉センターを利用しない者の目で今回の調査を行ったので、一般の建物に比べればはるかに、障害者を意識した造りになっているという印象を受けました。
 だからこそ、こうした施設にはどのような知識や経験が活かされているのか、具体的にどのような工夫がされているのかを、一般にどんどん公開してもらえれば、私達もそこから多くのことを学ぶことができると思います。
 また、利用者が感じている不便な点や改善してほしい点などを、施設の人に遠慮せずに伝えることができ、利用者と施設側とが双方行に意見を交換できる場があれば、さらに総合福祉センターのクオリティは増すと思います。そうすれば、現在の多くの公共・私的建造物のお手本になれるのではないでしょうか? (調査スタッフ一同)

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