にわか歌詠み

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夜顔の咲く

年ごとに朝顔市より送りくる友の粋なる心酌みをり/朝顔と思ふに蕾は昼を過ぎ膨らみ初めてほどけゆきたり/螺旋なす蒼き蕾は筒なせる首伸ばしつつ膨らみゆけり/夏の日にハート形なる葉をみれば葉脈透けて水の行き交ふ/蕾なる萼より緑の首伸びてねぢれ解きつつ花ひらきゆく/純白のフレアスカート思はせて夜顔(よるがほ)咲けり月出づるころ/ほの白く夜顔(よるがほ)咲けり台風の去りてさやけき月の窓辺に/月の夜に甘きかほりの漂へば夜目にも円(まろ)く夜顔(よるがほ)咲けり/野分去り月冴えわたるわが窓にあえかに白き夜顔(よるがほ)の咲く/夜顔(よるがほ)は大輪なるにその白き花弁の薄きゆゑかはかなき

夜顔(よるがほ)は淋しからずや夜の闇に人知れずしてほの白く咲く/夜の闇に甘きかほりを放ちつつ妖しく白き夜顔(よるがほ)の咲く/夜型のわれの性癖察してや今年は夜顔(よるがほ)送りくれしか