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       目 次

入院と手術にメドが立たなくなりました
   介助体制に与えた影響
   打開策
   わたし自身の健康に与えた影響
   (抜粋)思いきって首を切ってもらいます
   その後

電話当番募る!

タ食を食材配達の「ヨシケイ」に変えたこと

お知らせ    ☆携帯電話とメールアドレスの変更
   ☆新人歓迎会&忘年会の開催
   ☆映画『えんとこ』がビデオになったよ!

今年の夏は葉山へ
 伊豆は断念…入院問題に翻弄(ほんろう)されて

調査活動報告

えんとこ会計報告(H12年4月〜H13年3月)
   H12年度上期(4月〜9月)出納状況報告
   H12年度下期(10月〜3月)出納状況報告

お願い

【編集後記】




入院と手術にメドが立たなくなりました

 ここ半年間、あれほど準備を重ねてきた頸椎の手術とそのための入院に、全く目途が立たなくなりました。理由は、あとで述べます。
 影響は、極めて甚大です。

  介助体制に与えた影響
1.例年4月に行う介助者募集のポスターやチラシの作成と発送の時期を逸してしまった結果、新しい介助者を十分に集められなかったこと(加えて、埼玉での募集が全く無駄になってしまったこと)。
2.病院側とのやりとりに力をとられすぎ、介助に来てくれているひとたちと、丁寧に関係が作れなかったこと。
3.介助者の絶対数が少なくなってしまい、電話当番さえ気軽には頼めない状況に陥ってしまったこと。
 この危機的状況を、なんとか打開したいのです。

  打開策
年度の途中であっても、改めて募集のポスターとチラシを創って配り直す。
さしあたっては、自立生活センター"HANDS世田谷"に、決まった曜日の決まった時間に介助者の派遣を依頼する。
すでに使わせてもらっている、サンカネット"ボラバイト"などの、インターネット上の利用できるサイトをとりあえず活用する
 こうした状態にあるので、それをご理解いただき、ぜひともこの現状の打開にご協力ください。どうかよろしくお願いします。

  わたし自身の健康に与えた影響
 頸椎症からくる色々な症状は、相変わらず少しずつ進行し続けています。かといって、埼玉医大総合医療センター以外に、脳性マヒ患者の頸椎の手術に関しては、これといった病院があるわけでもないのです。
 この半年にわたる、担当医への質問事項をまとめるとか、あるいは病院側とのかけひきをあえて試みるとかいう、いわば手紙合戦のくりかえしで、わたしは疲れはててしまいました。
 それ自体が精神的な緊張の連続であり、それが肉体的な緊張をも誘発する結果になってしまったのかもしれません。そのためか、今ではかえって余計に障害が強くなってきてしまっています。おまけに、そのためにストレス性胃炎にもかかってしまったほどです。今回に限っては、一方的にその責任は埼玉医大の側にあると思いつつ、自分が決めてそうしたのだから、最終的な責任は、自分で負うしかありません。
 でも、埼玉医大の経営陣、そして整形外科の医者たちの責任を、そのまま許すという気には絶対になれません。このオトシマエは、必ずつけさせようと思っています。
 あとは改めて書く気力も体力も残っていないので、今まで書いた文章の中から、編集者に抜粋してもらって、それらをまとめて報告に代えたいと思います。

 要は、はじめの3,4ヶ月は医者たちが極めて積極的かつ楽観的な見通しを示していたのに、6月の上旬に、経営陣ができるだけ穏便に入院をことわるという決定をくだし、それ以後現場の医師たち、とくに整形外科部長がその役割を担ってきた、ということです。昨年この医療センターで起こった極めて重大な医療ミスの事件が、裁判になり、それが経営陣をかなり萎縮させてしまってもいるのでしょう。
 もちろん、表向きには厚生労働省の内規のようなものがあって、それに従うと、家族やそれに準ずるもの以外の"つきそい"は認められないことになっています。なにしろ「完全看護」が建て前なのですから。ただしそれには除外規定があって、「児童、知的障害者などの場合」は、そのかぎりではない、ということになっているらしいのです。
 経営側はその規定を防壁に使って、厚生労働省の許しがないかぎり、入院は認めないと言ってきた。実際には、障害者団体のねばり強い交渉によって、もう少しで「児童、知的障害者などの場合」というときの「など」の解釈を、脳性マヒなど重度障害者の場合には、もっと柔軟に運用せよ、という意味の通達を、厚生労働省から各都道府県に出す、というところまでいっているにもかかわらず・・・。
 障害の進行は、制度の整備を待ってはくれません。わたし自身の得意とする"ねばり"や、半分はいたずらごころでしかけた"かけひき"も、今回はついに通用しなかったということです。なんともはや!

(2001.10.16)



 以下は、今年2001年5〜7月の時点で、入院を前提にして、「えんとこ通信」のために書いておいた原稿の抜粋です。


  (抜粋)思いきって首を切ってもらいます
遠藤 滋

 頸椎の手術を受けることIこしました。そのために入院する場所は、埼玉医科大学総合医療センター。川越の市街から、上尾に向かう一本道を3分の1ほど行ったところです。田園地帯のどまんなかです。
 そういう決意をしたのは、ここ1年近く、それまでとは違う症状が出始めたのを感じたからにほかなりません。「この程度だったら大丈夫」と思っていた首への物理的なストレスにも、まず足の裏に微妙な感覚的反応が現れ、その時はわずかであっても、それが積み重なってゆくようになったからです。
 昨年10月1,2日を中心とする伊勢真一との札幌行きの前後に、それとは関係なく、介助の失敗というか、ぼく自身の介助者への指示の失敗によって、結果的にはかなり大さなダメージを食らってしまった・・・。
 それ以降、世紀の変わり目をはさんで、いわゆる冬場をすぎても、ちっともそれは好転せず、たとえば足でいえば、顕著なしびれは足首から先であったのに、ほとんど腿から先全体に広がってしまったのです。足首から先は、時に痛いほどしぴれが強くもなった。
 去年の暮れごろ、横浜南共済病院に行ったときのことは、前回の『えんとこ通信』に書きましたね。「手遅れだ」といわれてしまった、あの話です。
 寒い時期を経て、またいくつかの病院をまわった。そのあげくにいまのぼくの状態に最もあった方法だと感じたのが、今回手術を受けることにした、この病院の整形外科でのそれだったのです。
 担当医は、斎木先生といいます。医療に関しては「職人」でありながら、ぼくの質問lこ、時間をかけて丁寧に応え、納得できる説明をしてくれる人です。「インフォームドコンセント」の鏡とでもいえるひと・・・!
 ただ、この手術は、あくまで障害の進行をくい止めるためのもので、それで体の機能を回復できるというようなものではないようです。でも、うまくいけばこの一年の間に新しく加わった症状は、かなりの程度軽減でさる可能性もある、とも言っていました。とにかく、未知数な要素が大きいのは確からしい。それでも今回に限っては、賭けてみようという気持ちの方が強いのです。それで、自分で決意した次第です。

  ご協力を!

 問題なのは、いま世田谷にある「えんとこ」を、そっくり川越市内の病院に移せるかどうか、ということです。
 入院期間は、半年。実際問題として、いま来てくれているひとの全てが病院まで来られるとは思えません。でも、頻度は減ったとしても、やはりぼくはできるだけ多くのひとに病院まで来てほしいと思っています。みんなとの関係は、これまでどおり継続したい。
 病院としての建て前は、もちろん「完全看護」です。でも、それはぼくみたいな重度の障害をもったひとを、はじめから考えにいれているわけではない。現実問題として、たとえばたかがタ食を一回摂るだけで、3時間以上はかかってしまう今のぽくに、看護婦さんが絶えずひとり貼りついていることなど、まず考えられないでしょう?
 外部との連絡も、直接的にはまったく取れなくなってしまいます。
どうしても、入院病棟に今の「えんとこ」の営みをそっくり移す必要がある。そのための準備として、すでにぼくは、さいたま市内に住む学生時代からの友人(博田ひろみさん)を介して、介助者集めを始めてもらっています。
 手術が成功し、半年後に無事生還でさたら、すぐにまたここ・バラスト梅ケ丘303遠藤宅での生活がはじまります。そのためには、今度はまたここに介助体制を、準備しておく必要もある。ぜひとも、ご協力をお願いします。 (中略)
 ただ、今の時点でなお、病院との間ではっきり詰め切れていない問題があることも、ここに書いておく必要があるでしょう(外来で6月15日に行ったときに、なんらかの結論がでるでしょうが)。
 ひとつは、病院内部で、まだ(5月25日現在)はっきりとはぼくの個人的な介助者を受け入れるというコンセンサスはできていない、ということです。
 また、仮にコンセンサスが成立したとしても、まだそれを一般の大部屋で受け入れるのか、3人部屋で受け入れるのか、はたまた個室lこなるのかが、はっきりとは決まっていません。一番現実的なのは個室だと思うのですが、それだと、原則的lこは一晩あたり2万円を払う必要が出てくるのです。今のぼくの経済状態を考えると、かなり困難な問題です。
 この記事を載せた『えんとこ通信』が発行される頃には、それらの問題も、すでに解決しているかもしれません。そうなることを願っています。なにせ、ぼくの首の状態は、一刻も早い手術を求めているのですから・・・。
 とにかく、うまくいってもいかなくても、病院内外で協力してくださっている全てのひとびとに、ここに感謝の意を表しておきたい。ありがとう!

(2001.5.15)


  その後・・・

 6月21日より、担当医である斎木先生にかわって、整形外科部長の都築教授が、病院全体の検討結果をぼくに伝える、窓口になっています。その時告げられたのは、病院としては、内部操作のかたちではなにもできない、あとでどこからもお咎めがないように、たとえば厚生労働省なり、県の担当部署なりのお墨付きが必要だ、ということでした。県の役所ではうまく話がつかなかったらしく、28日になって突然提案されたことは、都内北区にある、「北療育医療センター」の副院長に紹介状を書くから、そちらに行ってみろ、ということでした。情報提供も惜しまないし、手術方法lこついての検討にも加わる用意もある、とも言っていました。
 7月4日に、言われたとおり行ってみようとは思っていますが、正直なところ、あまり気乗りがしませ/u。
 残念なのは、入院病棟に「介助者」を、といったとき、それを入院のための"付き添い"とだけとらえ、病院の「完全看護」の建て前と対立させてしまう、ひとぴとの発想です。ぼくにとって「介助者」は、日常生活に不可欠というだけでなく、病院に入院しようと、また退院してこようと、その場で絶えず必要な存在なのです。その意味で、生きている限り、ぼくと不可分の存在・・・?!
 埼玉医科大学総合医療センターは、ぼくが望んで治療を受けたいと決めた病院です。特に都築教授を中心とする整形外科については・・・。自分が全てを託そうとした医師のいる病院で、なぜ治療が受けられないのか。どうしても釈然としません。
 いっそ坂口厚生労働大臣Iこ直訴しようか、とも考えているいまのぼくです。それもあながちに、不可能なわけではありません。
 「完全看護」とはいっても、そこからすら弾かれてしまう人間がいる。しかも「障害」が並はずれて重いが故lこ。これは、「介護保険」の問題にも共通する事実をはらんでいる、とも思えるので、そうした問題提起の意味でも、あえてつきだしてみようかと思っています。
 そんなわけで、手術のための入院の場所は、まだ不確定です。場合によっては、初めから脳性マヒによる頸椎症の手術ができる病院を探し直す必要が出てくるかもしれない。
 いずれにしても、7月中lこはどこかの病院に入院しているはずです。どうかご了解下さい。

(2001.7.2)



  電話当番募る!

 皆さんこんにちは。電話当番をしている橋口舞と申します。今年に入ってから、今まで7人いた電話当番が、約半数の4人に減ってしまいました。皆さんも知っての通り、「えんとこ」に来る人は大半を学生が占めています。大学に通う人、専門学校に通う人と様々ですが、学生に共通して言えることは、実習があり就職活動があり、つまり、忙しいと言う事です。今回も、以上に挙げたような理由から何人かの人が電話当番を辞めていきました。そこで、今回「えんとこ通信」という場を借りて、新たに2名の電話当番を募りたいと思います。以下に電話当番の大まかな仕事内容を書き上げておくので、興味のある方、興味を持った方は、是非直接電話当番までご連絡を! お待ちしています!
 電話当番とは、滋氏が安心して日々を送れるように、24時間介助者が途切れる事のないように介助者を探すことを仕事としています。主な仕事内容としては、iモードを使ってホームページを開き、介助者入り状況を把握します。そして、まだ介助者の入っていない日時に、介助に入ることが可能な方を電話で探します。その他には、急に介助に入れなくなってしまった方の交代を探したりもします。この仕事は決して楽なものではありません。なぜなら、時と場合によりますが、介助者入り状況が好ましくなければ、その分介助者を探すのに時間を費やさなければなりません。勿論、時には2,30分程度で終る事もあります。それに、たまにではあるけれど、応答が荒々しい人もいないわけではありません。そんな時は、とても落込みます。携帯電話が古かった時は、1日に1時間半から2時間もの時間を必要としたこともありました。でも、悪い事だけではありません。現在は、電話も新しくなり、時間を半分以下に短縮することが可能となりました。それに、よく考えると、なかなか人が見つからない時があるからこそ、見つかったときにはその分の喜びを得ることができるんです。対応の好ましくない人がいるからこそ、対応の良い人と出会うと嬉しさを感じることができるんですよね。私は、この仕事にやりがいを感じることが出来ます。
 電話当番が半減してから、約3ヶ月が経ちます。このように、えんとこ通信を通じて募集する試みは初めてではないのですが、以前はすぐに後釜が見つかっていたのだそうですが、なぜか最近は見つからずにいる場合が多いのが現状です。電話当番に興味のある方、興味を持った方は、是非! 直接電話当番までご連絡を! お待ちしています!

(橋ロ舞)



  タ食を食材配達の「ヨシケイ」に変えたこと

 今年3月から、これまで5年近くにもわたって利用してきた、区による"ふれあい公社"への民間委託事業である「給食サービス」の利用をやめ、一回分の食材を配達してくれる「ヨシケイ」を利用しています。
 世田谷区からの補助は捨てることになりますが、平均的な費用は、それまでの補助分を含めて一食150円ほど高くなるだけ。ただし最小単位は2人前です。
 とにかく、格段にうまい。食材も新鮮だし、けっこういいものを選んでいる。一食一食にレシピがついているので、誰に作ってもらっても、それなりのものができるし、食材がいいのと、作りたてが食べられるのとで、たいして調整しなくても十分に柔らかいし、食べやすい。刻みはしても、バーミックス(フードプロセッサーのようなもの)は、ごくまれにしか使う必要がなくなりました。
 管理栄養士の松月さんの指導で、いろいろと調整のしかたを模索していたのが、嘘のようです。もちろん、あの期間にとってもらったデータや、見つけていった知恵は、今後ともいきるでしょう。ぼくだけのためにではなく・・・。
 松月さんにお願いしてある事があります。それは、できあがってから調整するのではなく、調理の途中で、すでにさりげなく調整してしまう、ということです。
 ともあれ、原則的には調理してくれたひとと一緒に、同じものを食べるという、何年も前にあきらめてしまった事を、復活させる目途が立ってきました。3月以降、食材にかかる費用を応分に負担してもらうために、介助科から1回につき550円を引くかたちで、徴収させてもらうようにしています。改めてご了解下さい。

(遠藤)



|お知らせ|

☆皆さんもうご存知の事と思いますが、えんとこの携帯電話が新しくなりました! 電話番号とメールアドレスをお知らせしておきます。
新しいえんとこ携帯番号 → 090-4618-8991
メールアドレス → entoko.renraku@docomo.ne.jp

☆新人歓迎会&忘年会の開催 12月15日(土)
 集合・準備開始 17:00(買い出し部隊&準備隊に分かれて)
 開宴      19:00
  差し入れ、持ち込み 大歓迎!!

☆映画『えんとこ』のビデオ版が発売されました!
 詳しくは「えんとこ上映委員会」にお問い合わせください。
 Tel.03-3406-9455 HP.http://plaza14.mbn.or.jp/isefilm



今年の夏は葉山へ
伊豆は断念・・・入院問題に翻弄(ほんろう)されて


 この夏は、今にも入院できるかと思っていたこともあって、結局は恒例の伊豆の山や海に行くことは断念しましたが、どうしても海に入ることは諦められず、近場の、葉山の海に行くことを選びました。
 浜で、たまたま持参のビーチパラソルを立てた場所は、ある海の家の前でした。そこには、私たちをおそらくずっと見まもっていたであろうと思われる、ひとりのおばあさんがいました。私たちは気がつきませんでしたが・・・。
 そのうち風で飛びそうになったパラソルを、その海の家の人がわざわざ小さな杭を立てて、風上からひもで引っ張って補強してくれたり、また、だれかが食べ物を買いに行くと、今度はラムネなどの飲み物を3本ほど無料で持ってきてくれたり、とにかく親切にしてくれました。最後には、シャワーまでつかわせてくれ、代金を払おうとすると、「お金はいただけません。社長にそうきつく言われていますから。」
 杖をついてやっと歩けるほどだったそのおばあさんは、しばらくすると、迎えに来た息子さんらしい人の軽トラックの助手席に乗って先に帰って行きました。そう、そのおばあさんこそが、"社長"だったのです。
 僕らが泊まっていた新しいおしゃれなコンクリート造りの宿泊施設では、車いすがシャワー室の入り口に、もう少しの差で入れなかったのに、古い粗末な木造の、しかも簀の子(すのこ)敷きの海の家で、シャワーを浴びることができるとは思ってもいませんでした。
 海に一番近い所で風に吹かれながら、そのおばあさんと会話ができ、本当に気持ちがよかった。病院側との冷たいやりとりのさなかにあっただけに、ひとの温かさを、改めて感じたひと時でした。
(遠藤談)



  調査活動報告

  みなさんこんにちは、開内(ひらきうち)です。最近は介助ボランティアの方にお会いすることが少なくなったので、まだお目にかかったことのない方がたくさんいらっしゃいますので、まずは自己紹介させていただきます。
 昨年4月までは遠藤さんと同じ梅ヶ丘で一人暮し、月に一度くらいの頻度で介助ボランティアをしていました。現在は姉と二人で経堂に住んでいますが、相変わらず梅ヶ丘は私のお気に入りのまちです。イチョウ並木の素敵な羽根木公園や、おいしいケーキ屋さんやパン屋さんがたくさんあることがその理由ですが、町内に知り合いがいるというのはやはりいいものです。えんとこに通うことで一人暮しの寂しさがずいぶん軽減されました。
 介助ボランティアを始めて間もなく調査活動が始まり、この6月で4年目を迎えようとしています。第1回目は1997年6月8日に行われました。その時の調査地は「えんとこ」。まずは普段の生活の場を見つめてみようということで、マンションのエントランスやえんとこの入口での車椅子の操作方法や、総合福祉センターのエレベーターなどを調べました。 その当時から一緒に活動をし、現在も「えんとこ」のHPを作成・管理しているのが藤原 康英さんです。彼を知らない方は、HPのトップぺージの写真をご覧ください。左上のほうに黄色いTシャツを着た彼が映っています。(この写真も私が撮ったもので、随分古いので次回どなたか、いまの介助スタッフの集合写真を撮って下さいね!)
 調査スタッフといっても素人の集まりですから、調査地を決めるのはいつも遠藤さんに頼ってきました。その結果遠藤さんが小学生時代から住んでいる梅ヶ丘やその周辺で、いつも気になっていた場所。建物をひとつひとつ調べていくことになりました。その回数は今年になって30回になりました。それまでに調査に関わってくださった方もたくさんいらっしゃいます。前回も書いたかもしれませんが、調査活動で知り合ってめでたく結婚された素敵なカップルもいらっしゃるんですよ。
 これまでは公共の施設を中心に調査をすすめてきましたが、今年からは調査活動の目をふたたび「住宅」に向けるようになりました。それは調査活動を始めた本来の目的に立ち戻るためにも必要なことでした。ケアを必要とする人とケアをする人が、自然の中で一緒に楽しく生活する空間を将来「ケア生活館」という形で実現するために、より多くの人の住環境を参考にさせてもらう必要があるのです。
 「そんな夢のような建物が実際にあるのか」と思うでしようが、今後の高齢化社会に対応するべく、医療や介護サービス付きの「福祉マンション」は最近増えてきています。その良い例が私達の調査結果報告の中にも載っていますのでぜひご覧ください。(昨年の3月と7月に行った「深沢環境共生住宅」です)
 また、昨年10月に映画「えんとこ」の上映会に出席するため札幌に出かけていった遠藤さんは、そこで本物の「ケア生活館」に出会いました。「アンビシャス」という名前のその建物はまさにケアを必要とする人とケアをする人が共に生活している場所でした。この時の様子も今後調査結果に載せる予定ですので、興味のある方はぜひご覧ください。
 そんな訳で、ゆっくりとではありますが調査活動の歩みも確かなものになりつつあります。なにせお手伝いしているのが私のようなスローテンポの人間なので、遠藤さんにもいつも迷惑をかけているのですが、この調査活動に一度参加してみたいと思う方はお知らせください。これから遠藤さんが入院するので、調査活動も中断してしまうのではないかと日々心配されていますが、なんとか継続できるよう私もがんばってみようと思います。
 みなさん、これからもこの調査活動を忘れないで応援してください。どうぞよろしくお願いいたします。

2001年5月30日  調査スタッフより



えんとこ会計報告(H12年4月〜H13年3月)





お 願 い

 よいっばりの朝寝坊・・・。それが、ぼくの代名詞のようになっています。
 これは確かにそうだと、自分でも思います。一般的に言って、あまりよいことではない。でも、長い問の色々な事情がかさなって、そうなってしまったのです。
 それはともかくとして、いま、ぼくは生活のリズムを、できるかぎり朝型、とはいわないまでも、早くしてゆきたいと思っています。
 そのためには、全体を早めはやめに持ってゆきたい。夕食時間が要(かなめ)です。夕食が早めに終われば、必ず寝る時間も早くなるのは確かです。もちろん、そうではないこともありますが・・・。
 手術をするはずだった病院とのやりとりが重なって、泊まりの介助者は朝まで起きていなければならない、という固定観念が成り立ってしまったのだったら、それは必ずしも本意ではありません。朝まで何かを書いているような体力はもう、ぼくには残っていません。
 もちろん、話が弾んだり、たまたま書いている文章が乗ってきたりすれば、別でしよう。誰にでも、それはありますね。
 それ以外は、これからあまり遅くまでは起きていられなくなると思います。
 ぼくがそういう意志を持っているのだということを、ここで表明しておきたい。その必要があると思ったので、そのことを、あえてここに書いておくことにしました。

(遠藤)


【編集後記】
 この「えんとこ通信No.58」は、発行が予定より何ヶ月も遅くなってしまいました。いろいろな事情が重なったためですが、読んでいただければ十分にお解り願えると思います。
 本来なら、編集者である橋口舞さんが担当し、完成するはずだったのですが、その後体調をくずされたため、これを引き継いで勝手に作成しました。橋ロさんが抱いていたイメージとはかなり違うものになってしまったかもしれません。今回の「入院問題」で構成や原稿内容が二転三転し、苦労をおかけしました。申し訳ない。でも本当にありがとう!(N)

発行:遠藤滋&介助者グループ  通巻第58号 November.2001