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CONTENTS

・クローズアップ電話当番
・2000年新人歓迎会のお知らせ
・遠藤さんのお食事に関するご報告
・映画えんとこ上映中
・遠藤滋一言集
・滋と一緒に泳ぎませんか?


 「こんばんは、遠藤さんのところで介助をしている四俣です。」
 だいたいこんな感じで私の電話は始まります。時間帯はPM9:30〜11:00で、きっと1度は私の声を耳にしたことがあると思います。私の電話当番歴は8ヶ月で、いまでは長です。(自分では勝手にリーダーだと思い込んでいます。)現在、佐々木尚也くん、山口セーヌさん、安斎有希子さん、佐藤涼子さん、私の5人で頑張っています。1回の当番で2週間ずつ受け持ち、介助が途切れることのないように電話で介助に入ってくれる人を捜します。
 現在の介助体制に変わったのはつい最近のことです。以前は遠藤さんちのホワイトボードに直接名前を書いてその場で決定していました。「早い者勝ち」っぽい傾向があり、これは遠藤さんが考えている介助とは違うものでした。介助者の偏りをなくし、多くの人と遠藤さんが関わってほしいということで、希望日を受け付けて後日決定し連絡するという形に変わりました。以前のように「今月始まったばかりなのにもう埋まっちゃった」と慌てることはなくなったのです。
 が、電話当番の立場としては、変更後のほうがなんだか大変になったような気がするんです。前は介助者のいない枠が少なくて軽く補う程度だったのに、今ではゼロに近い状態から捜し始めるという状況です。介助の受けつけ方法には
 @遠藤さんちのパソコンに直接打ち込む。
 A遠藤さんちに直接電話して伝える。
 Bえんとこ携帯電話にかけて伝える。
の3つがあります。どの方法でもOKなので、どんどん積極的に連絡して下さい。「今日の介助は誰だろう?」「今週の当番は誰だろう?」と予想してかけてみるのも楽しいと思います。
 正直言って電話当番はラクではありません。でも、やってよかったなーと思います。普段介助に入っていて会う介助者といえば、最高でもふたりまでだと思います。歓迎会や忘年会などに参加しないとなかなか顔を会わせる機会がありません。でも、当番をしていると「会ったことはないけれど知っている人」「電話当番の人」と少しでもおばえていてもらえたり、「最近どう?」って話ができたり楽しいです。頑張っているので電話がかかってきたときにはよろしくお願いします!! みんなのえんとこなので、みんなで盛り上げていきましよう!! 「ラクじゃない」と言ってしまったけど、絶対にやってよかったと思えるので「やってみようかな」と思った方はぜひ、遠藤さんまたは四俣までご連絡下さい。電話当番募集中です。
 以上、電話当番の四俣でした。


[四俣さんの原稿に補足]

 3、4年前までは、これはばく自身が自分でやっていた仕事でした。ところが、そのころ夏パテのせいもあったのか、高熱を出してダウン。その時、ぼくに代わって、空いている時間を埋めるひとを捜す役割を一手に引き受けてくれたひとがいました。
 ぼく自身が電話をかけようとすると、1時間に三人ぐらいにかけるのが精一杯です。それが、他の人だと、同じ時間で10人にも20人にもかけられるのです。
 機械的になるかもしれないけれど、そのひと一人にいつまでも頼っているわけにもいかないので、何人かで当番を組んで、”えんとこ”に必要な役割として位置づけることにしました。
 ぼくから皆さんにお願いしたいのは、まずは当番から電話がかかってくるのを侍たずに、出来るだけ自分から来ようという日を決めて、その意志を示し、ぜひ伝えてほしい、ということです。
 つぎに、電話当番から電話がかかってきたときに、迷惑そうな対応はしないでほしい。もう、来る気がないのなら、そのことをはっきり伝えてほしいし、今は行けないけれど、時間が出来たときには必ず来たいというのなら、その旨を伝えて、電話当番のひとに、何らかのねぎらいの気持ちを表しておいて欲しいのです。ぼくのところにボランティアに来てくれているひとなら、それくらいの気は働かせてください。
 なにせ、電話当番を引き受けてくれているひとたちは、もし見つからなければ、自分自身がはいるしかない、と覚悟しているひとたちなのです。このひとたちを、つぶさないでほしい。
 いま、過渡的に電話当番の役割は、少し複雑になっています。一方で空いているところに入ってくれる気持ちのあるひとを探しながら、他方でその可否の決定を確認する電話を入れる必要がある。
 なぜそうなったかといえば、この1、2年、ある時期(10月頃から半年間ほど)になると、複数のひとがコマの取り合いをする、という現象が目立ってきたからです。やっと、時間あたり700円なら出せるようになってきたかと思ったら、ちょっとしたアルバイトでもするような感覚で、入ろうとするひとが出てきたのです。今の経済状況も、反映しているのでしょう。
 もちろん、そういうひとではダメだ、と言っているわけではありません。でも、事実としてそのたぐいのひとに限って、できる限り楽をしてお金をもらうことだけを考えていて、ぼく自身が置かれている状況や、ぼくという人間そのものには、ほとんど関心を示さないのです。そのいのちの維持に関しても・・・。ぼくは、事実としてたとえ数時間ずつではあっても、いのちをそのひとに預けているのです。でも、それをあまり特別なこととして、重々しく語りたくはない。いのちは、じつは誰にとっても、重いのです。
 なるべく多くの、いろんなひとたちに、さりげなく接して、いのちの事実をつたえたい・・・。 そういうぼくの思いをいいことに、単に楽ができる「金ヅル」として関わられたのでは、たまったものではありません。まして、こうしたひとたちを頼りにしていて、いきなりやめられたら、ダメージが大きすぎるでしょう? 全体のバランスをとることはもちろん、最終的な決定は、かたちの上でもぼくがするようにしておいた方がわかりやすい。
 もう少しパソコンが普及して、誰もがインターネットでやりとり出来るようになったら、今年1月に始めた今のやり方の方が、確実に楽になるはずです。あと1、2年後には、必ず・・・。(遠藤)



 みなさん、お元気ですか?
 本当に嬉しいことに、遠藤さんのお食事の時間が随分短くなりましたね。
 私は、3日に1度送られてくるFAXを見る度に、「ヤッター」と歓声を上げています。
 これも、介助者のみなさんのご協力の賜物だと思っています。
 でも、一番喜んでいらっしゃるのは遠藤さんでしょうね。

1.危機的状況からの脱出
 今までの食事時間の推移をまとめてみました。月間の食事時間の比較です。
平成11年10月…220分
     11月…209分
     12月…189分 この12月末から摂食が困難になった
平成12年1月…281分 ―気に、100分時間がかかるようになった
     2月…258分
     3月…218分
     4月…182分 何と今までで最も食事時間が短縮できた


5月の食事時間



 この時短のプロセスを考えてみると、遠藤さんの緊張の緩和が第一でしょうが、バーミックス食の導入と、介助者にパーミックス使用が定着したからだと思います。

2.これからの課題
 今、気掛かりなこと
 確かに食事時間は短くなりましたが、まだ日によってかなりのバラツキはあります。これは緊張の程度やメニューの内容にもよるのでしょうが、介助者の方の食事介助方法にも差があるように感じています。特にこれから新人の方が増えてくるので、いかに食事介助方法や料理の調整方法を理解していただくかが課題となるでしょう。
 そこで、食事調整方法に関して写真を用いた壁媒体を考えています。以前私が作ったものは少し古くなったので、ゼミ生の松尾と水木が作ります。これはできるだけみなさんに理解していただけるように工夫する予定です。
 具体的には
 ・料理の調整プロセスに従って写真を貼る
 ・文字数は最低限に抑え、漢字の使用は少なくする(これは小島さんからのリクエスト)

などです。他に何かありましたら、是非教えてくだきい。
 遠藤さんにお食事を楽しんでいただく
 苦業だったお食事も少しずつ時間が短縮できたことで、食べることを楽しむゆとりがでてきたのではないでしようか。ある日遠藤さんから「夕食にひびかない程度の間食を考えてほしい」と言われました。(私はとても嬉しかった)
 今回、エンシエアリキッドを使ってストロベリーアイスクリームを作りました。遠藤さんには喜んでいただけました。
 みなさん、信じられますか?
 エンシュアリキッドといえば、チューブ栄養に使う栄養剤ですよ。それがまたおいしいのです。今後、エンシュアリキッドを使ったお料理も紹介していきたいと思います。エンシュアカクテルも作れるのではないかと思っています。
 関心のある方は、是非一緒に作りませんか。
 せっかく生きているのだから、おいしいものも食べたいですよね。遠藤さんにはそんな楽しみも味わっていただきたいのです。これが管理栄養士としての私のききやかな願いです。

3.最期に… ちょっと気取って
 「人は何の為に食べるのだろう」と私は時々考えます。これは遠藤さんに初めてお会いした時「食べる事は苦業でしかない」と言われ、私は愕然としました。
 でも、それだけならあまりにも悲しすぎます。食べるという行為の底辺の目的は生きる為の栄養摂取です。でも、遠藤さんにとってその最低レベルは今はクリアできたのかもしれません。この次は、もっと人間らしく、そして「生きることを楽しむお食事」ではないでしょうか。今それを目指すスタート地点に立つたように感じています。
 みなさん、本当にありがとうございました。

4.お願い
 お食事や壁媒体に関して気付いたことがあれば、ご意見をお寄せください。
 食事のシートにメモ書きする等でお願いします。
 また、ゼミ生の松尾と水木に直接伝えてくださっても結構です。これからも多くの介助者の方の意見を参考にして遠藤さんへの食事支援を続けていきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。


映画「えんとこ」上映予定 → ここ


遠藤滋一言集

 ご無沙汰しました。数ヶ月ぶりの登場です。
 というのも、昨年の12月から、今年の1月までのほとんど2ヶ月の間、身体の緊張が極めて強く、その後も体調が不安定だったからです。そのうえ、確かにうれしい悲鳴でもあったのですが、映画の『えんとこ』を観たという、いろんなひとたちから届いたメールに返事を書く、ということにもかなりの力をさいていました。
 知らないひとからのメールでも、ぼくは必ず一度は返信を送ることにしています。どんな機会にも、それをいかして、新しい出会いを求めてゆこうと決めているからです。
 ぼくの障害は、脳性マヒ。そこからきた、頚椎の変形による神経管の狭窄のために起こる、諸症状をもあわせ持っています。知らずにいつの間にかためてしまった精神的な緊張が、そのまま肉体的な緊張として現れることもしばしばです。
 だから、ぼくにとって、あらゆる意味での緊張は禁物。いくらケンカをふっかけられても、それには乗らないようにしています。それが命取りにもなりかねないので、できるだけボーッとして、受け流します。
 難しい話には、できるだけ乗らない…。
 でも、たまにメールで、わざわざカチンとくるような言葉を送ってくる人もいる。不思議なことに、ぼくと同じような障害を持つている人に、それが多いのです。
 思うに、ぼくのどうということもない日常生活が、ドキュメンタリー映画として全国各地で上映されていること、それにテレビやラジオ、新聞などにそれが紹介されてしまったことに対する、やっかみの心が働いているとしか思えません。そんなところで、ばくは自分を誇ろうとはこれっぽっちも思っていないし、第一、それどころではないのにもかかわらず…、です。
 ぼくは、これまでの自分の模索のつみかさねのうえに、やっと今のような、自分ならではの固有の生活の形をみつけ、それでどうにか生きているだけで、これが誰か他のひとの生活-のモデルになるとは、まったく思っていません。「自立」という言葉すら、久しく使ったことがないのです。なぜって、関わってくれるみんなの力に支えられて、はじめてばくの生活がなりたっているのだから…。
 伊勢にしても、障害を持つ者の、最も新しい生き方の形として、この映画を撮ったわけではないと思う。あきらめないで、ここまで生きてきて、なお明日を開こうとしながら生きようとしている、そういうぼくの、ありのままのいのちの姿を、ありのままにただ淡々と撮ろうとしただけのことだったと思います。
 いま、各地にできていっている、「障害着目立生活センター」。ぼく自身は、そこで行われている、「自立生活プログラム(ILP)」や、「個人的自立生活プログラム(PILP)」などに、それなりの意義はみとめつつも、それがかえって、本当に自分らしい「自立」生活の仕方を、枠づけてしまうのではないか、ということに危惧の念を抱かざるを得ません。
 ぼくは、自分が幸運にも障害を持っていたおかげでたまたま気づくことができた、もっと普遍的な視点から、ひとびとの生き様を絶えず見とおして生きてゆくことを、せいぜい楽しませてもらおうと思っています。もちろん、その視点は、可能な限り、多くのひとと共有し、それを積極的にいかしたいのですが…。

2000.4.15



     

えんとこの夏といえば、

毎年恒例の伊豆、松崎の農場。

あなたも2000年の夏を滋と一緒に

楽しい海と山ですごしませんか?

 えんとこの夏といえば、毎年恒例、伊豆、松崎でのバカンス。温泉でも有名な、美しい海、山に囲まれたリゾート地、伊豆。そこにある「いのちの森交流農場」は遠藤さんが白砂さんと2人で 、もともと甘夏の山だったのを手に入れ、整地しているところです。
 この、バカンスは遠藤さんの1年に1度の大きな楽しみであるとともに、リハビリも兼ねています。海水浴での浮力のある海水はとても歩きやすく、良いリハビリになります。その後の温泉は不思議と体の緊張も緩み、普段、さんざん悩ませられている緊張にも大きな効果があります。
 そのため、この旅行は遠藤さんにとって大きな意味のあることなのです。
 今年も、是非行きたいと思っており、向こうに行っている間、介助をつないでくれる、ス夕ッフを探しています。1日とか、2日とかでも構いません。2人とか、3人とかグループで来てもらってもいいです。今年も夏のバカンスを実現できるよう、皆さんの参加をお待ちしています。

 詳しい日程は、まだ決まってぃませんが、8月上旬から10日間ぐらい行こうと思っています。決まり次第御報告します。
 われこそは、というひと、また、詳しい事を聞きたいというひとも、遠藤滋まで御連絡下さい。