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梅ヶ丘商店街

 車椅子で生活する人にとって、買い物は大きな問題です。お店によっては、入ることのできない所があるからです。
梅ヶ丘では養護学校があることも関係してか、車椅子生活者をよく見かけます。遠藤さんもかつては車椅子で生活していました。
 今回の調査では、彼らと同じ条件で商店街を歩いてみてはどうだろう?ということで、年の瀬の梅ヶ丘商店街を、調査スタッフが車椅子に乗って、店内を見てまわりました。入ることができたお店は、店内も写真にとってみました。注目した点は出入り口と、店内の通路の広さです。 1999.12.26 


梅ヶ丘南口商店街 豪徳寺方面

 小田急線梅ヶ丘駅を背にして右手が豪徳寺方面。今回調査をした、薬のセイジョーやセブンイレブンやマクドナルドがある。
梅ヶ丘南口商店街 

 同じく駅を背にして左手には、有名な美登利寿司がある。その他、きのくにや、富士銀行、自然食品 F&F、本のヒロタなど、今回調査した店舗の大半がこちら側にある。
セブンイレブン 入口

 入口は自動ドアで、スロープになっているため、比較的入りやすい。

スロープの勾配=8度
ドアの幅=123 cm
セブンイレブン 店内

 店内の通路は場所によって幅が異なるが、写真は通路を通っているところ。他の人とすれ違うだけのスペースはない。店の一番奥の通路はもっと広かったが、ほとんどの通路は写真と同じ幅だった。

通路の幅=94 cm, 158cm
マクドナルド 入口

 入口は10 cm ほどの段差がステップにより解消されている。ただし、傾斜ステップが付いているのはこちら側のドアだけ。反対側の入口には付いていなかった。 
マクドナルド 店内

 一階はカウンター式のテーブルとイスが作りつけられている。
マクドナルド 店内

 以前は上のようなカウンター式の席しかなかったが、ある車椅子利用者が店と交渉し、その結果車椅子でも食事ができる高さのテーブルが置かれるようになった。しかし、店舗には車椅子の人が利用できる席はここ一カ所のみ。  
きのくにや 店内

 食料品が通路にも並べられている。
きのくにや 店内

 通路に並べられた商品が邪魔をして、入口から2メートルくらいのところで、足は止まってしまった。これが理由で食料品の買い物には、豪徳寺や松原のスーパーまで出かけていかなければならないことも。
富士銀行ATM 線路側入口

 利用頻度の高いATM。自動ドアだが、段差と勾配が大きい。
富士銀行ATM 入口

 この入口は手押し型で、段差と勾配があるため、介助者なしでは入れないのではないか。
洋菓子店

 この店の入口は、道路より3段ほど下がったところにある。梅ヶ丘にはこうした半地下の店舗が多い。
本のヒロタ 入口のスロープ

 本のヒロタの店舗は、道路より高い位置にあるため、入口はスロープになっている。

 スロープの勾配=10度  
本のヒロタ 店内

 店内を車椅子で移動できるかどうか、試してみた。
本のヒロタ 店内

 文庫本の棚は問題なく通れた。
ただし、一番上の段に置かれた本には手が届かないので、介助者の手を借りる必要がある。
 
通路の幅=92 cm
本のヒロタ 店内

 雑誌の棚は本がせり出しているので、かなり注意が必要。
 
通路の幅=70 cm
自然食店 F&F 入口

 この店の入口もスロープ状になっている。材質が木なので、振動がやや強い。
自然食店 F&F 店内

 店内はかなりゆったりとしていた。
自然食店 F&F 店内

 商品棚は、低くなるにつれ手前にせり出す傾斜状になっている。そのため視覚的に広々とした印象を受ける。
 
通路の幅=100 cm
薬のセイジョー

 最後に入ったのは駅前の薬屋さん。入口に商品が並べられているのはどこも同じ。
薬のセイジョー

 店内の通路は広いが、足下にも商品が並んでいるので、楽にすれ違えるという訳ではない。

 <まとめ>

 実際に歩いてみると、店のつくりはそれぞれ異なり、入口の形態もまちまちだった。
スロープがついていても、ゆったりとした長めのスロープを造ることができず、勾配がかなり急になってしまう。
 店内でも、車椅子で買い物をするには、商品にぶつからないように十分気をつけなければならない。こうした不便さが、車椅子利用者の買い物の足をこの街から遠ざけてしまうのだろう。
 車椅子利用者の方が、商店街側に自由に要求を出していけるようになれば、商店街の人々も彼らの潜在的ニーズに気づくのではないだろうか。そうすれば、福祉モデル地域という梅ヶ丘の地域性を、よりいい形で展開していけるのではないか。