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調査(980322)

 小田急線梅ヶ丘駅の調査。誰もが利用する駅についていろいろ考えさせられました。

 小田急線梅ヶ丘駅北口。階段は全部で38段ある。一段ごとの高さは 15cm、奥行き 35cm、全体の幅は 5.2m。駅前はバスロータリー。ここには写っていないが、ロータリーの周辺はしゃれたレストランが数軒、この辺りでは有名なお菓子屋「カワムラ」、パン屋、中華料理屋などが並んでいて楽しい。羽根木公園に行くにはこちら側から。
 階段脇のスロープ。このように自転車が置いてあると車椅子の通行の妨げになる。それにしても、ここから駅を利用するのには階段を上るしかないのに、このスロープにどれだけの意味があるのだろう。車の往来から身を守るだけ?
 改札口の様子。改札は5つあり、一番右側の改札が車椅子対応用(?)に広めに造られている。幅 80cm。
 北口階段の裏から線路沿いに豪徳寺方面へ少し行くと、以前遠藤さんたちが運動をして造らせたスロープがある。梅ヶ丘駅にはエレベーターもエスカレーターもないのでスロープは重要な役割を果たしている。利用するときはインターホンで駅員を呼ぶ。
 青く塗られた、四角形の鉄枠の中には、元は滑り落ちてきてぶつかっても安全なようにマットが取り付けてあった。
 スロープの全景。全長 14.5m。幅 1m、傾斜4度。ホームに入るには、手前のインターホンで駅員に連絡をして入り口を開けてもらう。インターホンは地上 90cmのところに備え付けられている。
 こちらは南口のスロープ。現在駅は高架化の工事をしているので、周辺はガードや鉄板などで覆われている。ちょうど階段の下にあるので人目につきにくい。足下が暗いのも気になる。
 スロープは直線ではなく、現状では2回ほど曲がる。元はスロープを下りてくると、写真のようにここで一度だけ曲がり、そのまま真っ直ぐ商店街に出るように造られていた。一ヶ所だけ曲げざるをえなかった理由は、4度という勾配を保つためである。工事中の今は、外から見ると元の面影はほとんどない。スロープの幅は 1m、傾斜4度は北口のものと同じ。左側にはゴミ箱が置かれていて、いい環境とはお世辞にも言えない。
 南口階段下。まず最初に3段広めの段があり、それから再び38段の階段。段の高さや奥行きは北口と同じ。ふと疑問に思ったことですが、エスカレーターはどれくらいの長さ以上の階段につけるという基準があるのでしょうか。車椅子でなくても、足の弱い人やベビーカーを使う人にはこの階段は一苦労でしょう。
 駅のホーム。改札口から階段を降りてきたところ。手前側へ歩いてくるとき、電車と階段の間がとても狭いので危険だ。幅はおよそ 1.8m。特に車椅子で通る場合には注意が必要。人がひとりで歩くのがやっと。車椅子では白線の外側に出てしまう。せめて黄色の点字ブロックの内側に、車椅子が一台通れるくらいのスペースがあれば・・・。
 下りホームの階段裏にある、スロープへの出口の脇に設置されている車椅子用トイレ。青く見えるのがホームとスロープを仕切る出入口である。ただし普段は鍵がかかっていて、やはり駅員を呼ばないと使えない。防犯上の配慮があったのかも知れないが、いざという時、これでは役に立たない。
 反対側(上り)ホーム。こちらもやはり階段脇がとても狭い造りになっている。このままではとても危険。

  <遠藤さんの感想>

 すでに小田急線の高架化、複々線化の工事が進められている。この工事が終わった暁には、いったい、駅はどんな形になるのだろうか? エレベーターはちゃんと付くのだろうか?
 というのも、かつて、地域の障害を持つ人たちを中心に、梅ヶ丘駅に車いす用スロープを付けさせる運動が組織され、私もそれに関わっていた。スロープの勾配など、当時としてはかなり細かいところまで気を配って、小田急本社と粘り強く交渉したつもりである。そんなわけもあって、壊される前に再点検しておきたいと思い、今回の調査活動の対象の一つに加えた次第である。
 例えば南口側、すなわち下り線側のホームについているスロープ。ここは、勾配が4度を越えないようにしようとした結果、途中で直角に曲げてある。幅の問題を含めて、もっと通りやすいようにできなかったかとあらためて考えさせられた。新しい駅が、誰にとっても使いやすい駅になることを心から願いながら、とりあえず見守っていたい。