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調査(971207)

 梅ヶ丘図書館、羽根木公園の調査を行った。

 図書館前の傾斜のある駐車場。傾き=8度、長さ= 7m。
 せっかく手すりがあるのに、車がぶつかったのか、大きく外側に傾いていた。
 手前の溝に車椅子の車輪がはまってしまう。もっと目の細かいふたにしてほしい。
 少しカメラを右に回して、図書館西側の車椅子用入り口へ続くスロープ。傾き=4度、長さ= 10m、幅=1.4m、手すりの高さ= 80cm。
 スロープを上りきって、直角に右へ曲がったところにある入り口。内開きの自動ドア。幅= 90cm。ここは特に問題なし。
 入り口を入って、すぐ右手にあるトイレ。かなり広め。奥行き= 2.3m、横= 2.5m。これならストレッチャーも何とか入りそう。
 手すりは左右にわずかに動く。手すりの間隔は広いときで 90cm、狭いときで 65cm。便器から手すりまでは 15〜25cm。
 反対側に手洗い用の洗面台がある。
 入り口から図書館正面までの通路。手すりがあるものの、ごみ箱やたて看板が並べられているので、実際に手すりを必要とする人が困ってしまうのではないか。
 こんなところに健常者の気配りの足りなさが出ている。
 正面。1階には子供用書庫(写真)と左手奥の人文系書庫の部屋、右手の雑誌閲覧室がある。どの書庫も車椅子で入ることができる。ただし、2階と3階には上がることができない。
 エレベーターが用意されていないのだ。従って、読みたい本のリストを用意して司書などに探してもらうしかない。ぶらぶらと本を探す楽しみがないとは、なんとも残念だ。
 人文系書庫の中。以前は入れなかったので、ここは改善されたようだ。書架の間隔= 1.7m。介助者が横に立つこともできる。ただし一番奥の通路は車椅子で通るのがやっと。
 車椅子だとしゃがんで下段の本を探すことができないので、大変。
 次は図書館裏の羽根木公園の調査。いくつか入り口があるが、ここは図書館からもっとも近い入り口。塀と柵の間隔がやや狭い。
 どの入り口にも車両進入防止のためにこのような柵がある。何もなければどんなにらくに、気持ち良く入って行けるだろう。
 公園内へと続くスロープ。途中、林の中に続く小道がいくつかあるが、そこは途中から階段に変わってしまうため、せっかく進んでもそこで引き返さなくてはならない。
 最後まで通ることができるのはこのスロープと、少し先で分かれた一本がかろうじて。林の中を散策しながら別の場所へ移動できないのが非常に残念だった。いつも決まった道しか通れないのはさびしい。
 南東側入り口。ここは階段があるので車椅子では入れない。介助者が二人以上いて車椅子を持ち上げられる場合をのぞいては、ここから入るのは無理。そもそも公園はだれもがどこからでも入れるようにするべきなのに、現実はそうではない。みんなのための公園なのになぁ。残念。
 この奥は林の中をだらだらと上っていく比較的広い坂道。先ほどの小道が左側から二本、この坂道に続いている。少し上ると右側がプレーパークになっている。
 この階段は、解消可能なのではないか。
 プレーパークのようす。ここは市民運動と行政とで形作る実行委員会で運営されていて、ボランティアなどの人たち手づくりの、子供のための遊び道具がいろいろ用意されている。たき火も大丈夫。夕方になると子供たちの歓声であふれていた。でも斜面に広がっているため、車椅子で遊ぶにはちょっと難しそう。
 公園内には障害者用トイレが2つある。毎朝きちんと掃除されているので中は清潔。2つとも広さは十分にあった。この他公園内の電話ボックスも車椅子用のものが用意されていた。

 (余談)右に写っているのは、この日の午後の介助担当のムー君こと武藤くん。手前に写っているのが午前の介助担当の高木さん。ふたりは巻尺や分度器で熱心に測定を手伝ってくれた。こんなふうに誰にでもできる作業なので、手の空いているかたはぜひ調査にご協力ください。

 もう一つのトイレ。公園内南寄りのほぼ中央にある。風景ともマッチし、なかなかおしゃれな外観。通路からはコンクリート舗装でつながっており、車いすやストレッチャーでも出入りしやすい。
 東松原側から羽根木公園に上っていく、新しく整備された斜面につくられたスロープ。幅= 110cm、手すりの高さ= 80cm。
 手すりが二段になっている。おそらく低いほうは小さな子供や、車椅子を使って自力で移動する人でも使いやすいようにとの配慮から。
 とても滑らかな良いスロープだが、問題は途中で中央の大きな通路と合流すること。そこが石畳でできているので車椅子には振動が大きすぎる。ちょっとしたことだけど、快適に公園を散歩するには見逃せない点だ。
 公園の北寄り東側にある入り口。ほとんどすべての入り口にこのような柵がある。車椅子で通ることは可能だが、ストレッチャーではまず無理だろう。本当にこのような柵が必要かどうか、皆しばし考えこんでいた。

  <遠藤さんの感想>

 公園は誰もが入りたいところから入って、出たいところから出て行くところ。特に羽根木公園は700本もある梅林で有名。せっかく車椅子で通れる小道があっても、途中で行きどまりになっていたのでは、がっかりです。同じ道を戻るのはなんと興ざめなことか。例えば傾斜が少々急でも、それを表示し、回り道も作ったうえで、あえてそこを通れるようにしてもいいんじゃないかな。基本的にはもちろんスロープは基準値以下の傾斜にするのが望ましいけれど、みんなが自由に遊べる公園になったらいいなぁ。