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深沢環境共生住宅 IN SUMMER



 前回ここを訪れたのは3月でした。その日はまだ冬の寒さが残るうす曇の日で、緑もまばらでした。「夏にもう一度来てみよう」という目標どおり、今回は7月の太陽がさんさんと照る空の下、梅ヶ丘から車を運転してやってきました。

 実施日:2000年7月23日(日)
 調査隊メンバー:遠藤・梅田(介助者)・藤原(カメラ)・鶴田・開内



 深沢環境共生住宅/デイ・ホーム深沢

 全部で6棟の建物があり、深沢坂上の緩やかな斜面に建っている。一般の住居と高齢福祉者施設が併設されている。
 中庭

 歩道から中庭へ入っていく。
 建て替える前から育っている樹木が程よい木陰を作っていた。
 どこを歩いてもだいたいこのように、草木が両側に育成している。
 土肌が見えているところが多く、花壇や家庭菜園などに利用されている。
 敷地内の地面は透水性の舗装がされている。

 百葉箱

 中庭には百葉箱が設置され、敷地内の環境を調査・検証している。
 自転車置き場

 自転車置き場にもほどよい木陰ができていた。
 丸い風通し穴のデザインがしゃれている。
 腰掛け

 どことなく和の雰囲気がただよう空間。
小石を敷き、かわらを埋め込んでいるからだろう。瓦は都営住宅時代のものを再利用している。木のベンチや植物が建物の壁の硬い感じと調和を取っている。
 井戸

 都営住宅時代から存在している井戸。敷地内には4本の井戸が今も残っている。
 水質の変化により飲料水としては利用できないが、家庭菜園用の水遣り等に利用されている。
 井戸

 ポンプを押すと冷たい水が蛇口から飛び出した。井戸の傍から水が外に湧き出しており、その水は少し低い位置にあるビオトープへと流れ落ちる仕組みになっている。
 ビオトープ

 デイサービスセンターの部屋の前がビオトープになっている。天気の良い日が続いたせいか  池は浅かったが、金魚が数匹泳いでいた。池の縁には様々な植物が育っている。
 スロープ

 車椅子を利用する人の住居は一階にあり、ベランダからもスロープを使って外へ出ることができる。
 スロープ

 二世帯共用のスロープ。車椅子だけでなくもちろん乳母車にも便利だろう。
 建物の中のスロープ

 土地が平面でないのと、車椅子を利用する方の住居が一階にあるので、玄関までの通路もスロープになっている。
 エレベーター

 車椅子と介助者が乗ってもまだ少し余裕があった。

 エレベーターホール

 エレベーターを待つ間にちょっと腰掛けるための造りつけの椅子。
 雨や日差しもよけられる。
 階段

 エレベーターを使わないときは階段でも。一般的には団地の階段は建物の中にあることが多いが、ここは戸外にある。暑さや寒さ、雨、風などを避けられないのがちょっと気になった。
 屋上のミニガーデン

 5階の住居の玄関を出たところにミニガーデンがあった。水道もあるので5階でも植物を育てることができる。奥に見えるのは住居の屋根。瓦を利用したのはなるべく周囲との調和をはかるためだそうだ。
 通路

 5階の通路から全体を眺めているところ。通路の幅も広びろとしている。ここにも屋根はないので、暑さのため手すりが熱くなっていた。
 5階からの風景

 5階の通路から敷地全体を見渡したところ。団地なのに瓦屋根という珍しい造りになっている。建物の壁面には蔓植物が育ち、夏の暑さ、冬の寒さを和らげる役割を果たしている。
 壁面の植物

 地面や屋根だけでなく、壁面も緑化しようというもの。3月に訪れたときには葉も少なく茶色の茎だけだったが、今回は緑の葉に覆われていた。
 丸い棟

 A棟には丸い部屋がある。共有スペースになっている階もあるようだ。その右手の棟の屋根にはソーラーパネルが設置されている。ここで発電された電気はデイサービスセンターの部屋の床暖房などに利用されるそうだ。
 風車

 もうひとつの発電装置。高台にあって風通しがいいという立地条件を活かし、風力発電を行っている。風力発電で得られた電気で井戸の水を汲み上げ、ビオトープへ循環させている。
 屋上緑化と保存樹木

 デイサービスセンターの部屋の屋根には芝生が植えられている。手前の大きな木は、以前生えていたものをそのまま残したもの。
 デイサービスセンター入り口

 送迎バスが止まっている。近隣のお年寄りがデイサービスを利用するときの送迎用バスだ。日曜はお休み。


《感想》

 3月に訪れた時よりもはるかに緑が多く、みずみずしい感じがしました。風通しは一年を通していいようです。ビオトープがもう少し大きくて水の量も多ければ、もっといろんな生き物が生息できるかもしれません。
 四季を通じた植物の成長が見た目に楽しいだけでなく、実際の生活に役立っている場面がたくさんあると感じました。涼しい木陰ができたり、蔓が壁面の温度を下げたり温めたり。
 瓦を使った屋根が周囲の住宅との調和が取れているところなども、周囲の人だけではなく、都営住宅時代からここに住む人への配慮かもしれません。昔の趣も残しつつ新しいものを創ったということでしょうか。
 「住む」ということと「その土地の自然環境」がうまく調和していることが、深沢環境共生住宅の特徴です。こうした集合住宅がもっと増え、多くの人が利用できるようになるといいと心から思いました。