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千歳船橋温水プール


 今回の調査地は、千歳船橋にある区営の温水プールです。改修工事が終了して再オープンしたのが今年の2月1日。デザインがなかなかしゃれていて、明るく開放的な雰囲気です。梅ヶ丘からはタクシーを利用して10分程で着きます。
 遠藤さんは専従ヘルパーとボランティアの介助の方の3人で、リハビリのために毎週金曜日の午後、ここを訪れます。以前利用していた梅ヶ丘の総合福祉センターのプールよりはずっと使いやすいということで、今回調査を行うことになりました。(6.18.2000)
 千歳船橋温水プール  住所: 世田谷区船橋7-9-1  TEL:03-3789-3911

 利用時間  9:30 〜 21:00  毎月第一月曜日は休館

 ○小田急バス
 ・(歳22系統) 千歳船橋駅循環 → 「区立温水プール前」下車
 ・(梅01系統) 梅ヶ丘駅北口−千歳船橋駅 → 「朝日新聞社前」下車(徒歩5分)

 ○京王バス
 ・(歳23系統) 千歳烏山駅−千歳船橋駅→「青山学院大学前」下車(徒歩10分)


 全景写真

 写真は環八方面から撮ったもの。大きな窓の中にはジャグジーバスがある。三階部分まで吹き抜けになっていて、二階の側面は全面すりガラスなので、中はとても明るい。四階の窓は曲線状につくられていて、中の談話室の雰囲気をやわらげている。


 全景写真

 こちらはプールがある側から撮ったもの。プールは二階にあるが、屋根の高さはほぼ四階と同じ。天井の高さがお分かりでしょうか。

 地上入口

 入口は地上と地下の二箇所ある。車の場合は地下駐車場の入口から入る。徒歩・自転車の場合はこの入口から。
 入口周辺

 入口の前の階段を降りると、地下一階の喫茶室出入口がある。喫茶室からはこの階段かスロープで道路に出る。
 スロープ

 先ほどの階段を降りてきたところから、建物の周囲を囲った壁づたいにスロープがあり、このスロープをあがってゆくと、地上の駐輪場まであがることができる。
 スロープ

 スロープの勾配= 3 〜 4度
 手すりの高さ= 86 cm

 地上入口

 スロープをあがりきり、駐輪場から入口へと進む。この写真は2枚目の写真の反対側から撮ったもの。船のような丸窓がついているのは二階と三階のエレベーターホールと休憩所。
 地下入口

 入口は地上と地下にあるが、路上では車通りが激しくゆっくり下車することができないので、この日は地下の駐車場を利用し、B1入口から入った。
 
 【問題点】 この駐車場には車高制限があり、2メートル10センチ以上の車は入れない。 タクシーだと車高の問題はないが、遠藤さんがゆったりと乗車するには十分な広さではない。首への負担を減らすために最近ではHANDS 世田谷の車を利用しているが、この車だと車高制限を越えてしまうので、路上駐車をせざるを得ない。
 券売機


 入場券は一階入口横の自動券売機で購入する。一回2時間のチケット(一般400円)と、1時間のチケット(一般200円)がある。障害者の方の料金は

 エレベーター

 エレベーターの大きさには二種類あり、左手が寝台専用、右手は一般用。
 ボタン

 ボタンも寝台専用のものと一般用と分かれている。
 寝台専用エレベーター

 寝台専用と一般用の大きさはそれぞれ

 奥行き=230 cm(寝台専用), 135 cm(一般用)
 幅=110 cm, 140 cm
 手すりの高さ= 86 cm, 82 cm
 入口の幅= 90 cm, 90cm
 階段

 一段の高さ= 17.5 cm
 一段の奥行き= 27.5 cm
 階段の幅= 170 cm
 手すりの高さ= 94 cm
 障害者用の更衣室

 二階の検札機の右手に障害者用の更衣室がある。
 更衣室

 奥の部屋で着替えをする。車椅子で入った場合、壁とベッドの間のスペースがあまりないのが気になった。着替えた後に、プール用の車椅子を持って来たりすると、二台分の車椅子を置くにはあまり十分な広さとはいえない。

 ベッドと壁の間=166 cm
 ベッド

 着替えをするときには、このベッドの上で行う。このベッドも幅がやや狭い。
 更衣室で肝心なのは、スペースの広さと温度調整。冬など着替える間に体が冷えてしまってはいけないからだ。

 ベッドの寸法= 幅 61cm X 縦 180 cm
 シャワー室

 シャワー室では、車椅子と介助者が入っても十分なスペースが必要となる。

 幅= 160 cm
 奥行き= 158 cm
 プール用車椅子

 プールに入るには、備え付けのプール用の車椅子を利用する。
 更衣室のトイレ

 更衣室の奥にトイレがある。

 幅= 180 cm
 奥行き= 180 cm
 洗面台

 洗面台の高さ= 76 cm
 手すりの高さ= 56 cm
 プール

 プールを利用するときは更衣室から通路に出て、シャワーをくぐり、プールサイドへ進む。
 25メートルプールと、その向こうにウォータースライダーと流れるプールがある。
 スロープ

 車椅子で25メートルプールへ入るには、スロープを使う。
後ろ向きに車椅子で降りていき、だんだん水に入っていく。最後の段差のところで車椅子の後輪が下に落ちると、そのまま体が仰向けになったかたちで浮くことができる。あとはその車椅子を、もう一人の介助者にプールサイドまで戻してもらい、端のスペースに置いてもらう。  介助者同士の連携がうまくできているので、ここは問題なし。

 プール介助

 プールには通常二人の介助者がつきそい、まずは遠藤さんが水にあお向けに浮かぶように頭と肩のあたりを支えて補助する。そのままの体勢で何度か往復し、その後立ち姿勢になる。立った姿勢の遠藤さんを両側から支え、水中歩行の補助をする。途中、深いところにさしかかるとまたあお向けになり、手や足を動かしながら進む。これを繰り返し、およそ一時間でリハビリは終了する。


 <感想>

 内部も外部もスペースを贅沢に使ったデザインになっていて、とても開放感がありました。
 プールや休憩室の窓が大きく、丸いデザインのものあったり、廊下が直線ではなく曲線になっていたりするので、全体的に明るく柔らかい雰囲気をつくりだしていました。
 またプールの写真にあるように一般の利用者が多く、障害者だけが利用するプールよりは、子供の歓声などがあって楽しい、というのが遠藤さんの感想でした。
 気になった点は、更衣室のスペース。自分の車椅子と乗り換えるためのプール用車椅子を二台並べたりするにはあまり十分な広さではありませんでした。もう一点はやはり駐車場の問題。現在利用しているHANDS 世田谷の車でも入れる高さまで、地下駐車場の天井が高ければ、路上駐車をしなくてすみます。今後、障害者・高齢者の方により多く利用してもらうためにもここは検討の余地があるのではないでしょうか。
 とはいえ、区の公共の施設としてはデザイン的にも規模的にもかなり充実していると思いました。遠藤さんの場合は、車の乗り降り、プールや入浴の介助などに最低二名は介助者が必要ですが、これだけ設備が整っているのですから、なるべく多く利用したい、というのが率直な感想でした。