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再び武満徹について

 ところで、管弦楽曲や室内楽曲など、クラシックというか、いわゆる現代芸術音楽のほかに、彼は多くの映画音楽も担当しています。黒沢をはじめ、何人もの監督と組んで。だから彼の名前を知らない人でも、どこかで必ず彼の曲には接しているでしょう。また、彼はいくつかのポップス調の曲も残しています。『翼』というCD一枚に入ってしまうほどですが。
 『翼』は、石川セリが歌っています。このCDのタイトルとなった「翼」という歌は、2年あまり前、TBSの「NEWS23」のエンディングテーマになっていたので、覚えている人も多いでしょう。そしてこのCDに収められた歌の多くは、そのまま合唱曲にもなっていて、岩城宏之指揮で東京混声合唱団のと、関屋晋指揮で晋友会合唱団のと、CDが二つ出ています。特に東混のはぼくの愛聴盤。そういえば、その中の「死んだ男の残したものは」は、学生時代、誰が作ったのかも知らないまま、フォークギターに合わせて単なる反戦歌として歌っていたのでした。谷川俊太郎の詩に、武満徹が作曲したものだとは、当時は気が付きませんでした。
 谷川俊太郎とのコンビといえば、「若い人のための音楽詩 ファミリートゥリー(系図)」という作品があります。武満の死の数ヶ月前に、サイトウ記念オーケストラを小沢征爾が指揮した初演をテレビで見ました。詩の朗読がオーケストラの曲の中に組み込まれたような作品で、演奏後、拍手に応え、谷川と武満とがステージに呼ばれて小沢と一緒に並んだところは圧巻でした。このとき詩を朗読したのは、ドラマなどでおなじみの遠野凪子。
 ちなみに、去年の6月、ぼくはシャルル・デュトワ指揮のN響で、同じ曲をナマで聴いています。最初の一音で涙が出るほどの感動でした。もっともっと生きていろんな作品を聴かせてほしかった。まだ60歳そこそこだったのに、残念です。

1998年02月20日