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支援費制度 その後

 ぼくは、世田谷に住んでいます。今では「介助連(公的介助保障を要求する世田谷連絡会)」という連合組織として、区行政も無視しきれないほどに発展した、障害者の“介助”に関する運動を、25年以上も前に呼びかけた者として、これに誇りさえ持っている…。

 今回の「支援費制度問題」については、非常な危機感をもって、特に去年の11月から今年の3月までの約5ヶ月間にわたって、相当な無理を自分の体に強いてしまいました。その結果自らの健康状態がますます悪化し、それで余計に苦しむことになるのは予想できたにもかかわらず、です。
 だって翌年4月以降の自分の生活がイメージできないなんて、いいようもなく不安ではありませんか。わが「えんとこ」の金銭的な裏付けさえなくなってしまうかもしれない!
 政府に対する例の「公開質問状」への賛同署名運動をはじめたのも、そんな理由からでした。“介助”の公的保障についての責任を、国に放棄させてはならない!
 9月頃、世田谷区はいきなりそれまでの態度を翻して、いわゆる自薦ヘルパーの受け皿となることを、拒否してきました。それを、「当分の間」という条件付きながら、認める決断をさせることができたのも、この「介助連」あってのことです。
 ところが、そこに今年1月の例の「上限」騒動…。

 これにどういう決着が行われたかは、すでに書いたとおりです。ぼくは困りました。
 やむを得ず、2月末に行われた対区交渉に先立って、ぼくは以下のような要望を出しました。これには、ぼくは体調の悪化や時間帯の関係で参加できなかったのですが…。それでも、介助連の仲間達は、その冒頭にこれを読み上げてくれたと聞いています。
 「すでに提出してある、資料「1日の流れ」に基づき、以下のような要求をおこないます。
1.1日24時間介助の完全保障と、私自身の必要に応じた2人体制を認めること
2.単価を「日常生活支援」で計算するのではなく「身辺介助」で行なうこと
3.夜間勤務手当の加算を認めること
4.資格はこれまでどおり、当事者研修によって認めること
5.これまでどおり代表登録を認めること
6.区は、経過措置として行っている指定事業者の役割を今後も継続すること」

 その理由も、これに続けて書きました。このホームページにも公開してあります。
 ところがこの交渉で区は、こうしたぼく個人の要望だけでなく、「介助連」としてまとめた要求書に対しても、強硬な姿勢を崩さず、話は平行線に終わりました。「必要な人には、一日24時間の介助の保障を目指す」と何度も約束していた区が…。
 「一日16時間の上限、介助者の代表登録は認めない」というのが、自薦ヘルパーの受け皿となった、今の世田谷区の硬い姿勢です。おりからの統一地方選挙。ここで区長は自民党の、しかも現都知事の石原にとても近い、熊本哲之氏に代わってしまいました。

 区がいう「当分の間」。それがいつまでになるのか、そしてその後はどうなるのか、ぼくとしては非常に不安です。自助・共助という美名のもとに行われようとしている「介護保険制度」との一体化の動きについても、警戒せざるを得ません。
 
2003年07月30日