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梅丘中学校にて

 なかなかいい上映会でした。  はじめはなんとなく落ち着かない様子の子もいたのですが、いざ映画が始まると、全員がどんどんそれに集中してゆく様子がよく見て取れたからです。ぼくの住むマンションの真向かいにある中学校の体育館の、さらに上の講堂でついに実現した例の『えんとこ』の上映でした。映画人としての伊勢真一の技量を、改めて感じさせられた瞬間でもありました。
 その映画の主人公として、ぼくは上映後に伊勢とともに前に引っ張り出されて、挨拶をさせられることは事前に聞いていました。はじめはその場でぶっつけ本番で話そうかとも考えていたのですが、その日の体調でそれが出来ないこともあり得ると思い、前の晩にあらかじめ伝えたい内容を書いておきました。そのとおり、当日は同行した今のヘルパーの佐藤凉子さんに読み上げてもらうことになったのですが…。
 以下はそのメッセージです。

 遠藤です。
 今日上映されたこの映画が、数年前にあれほど話題になり、そして朝日新聞の「天声人語」に紹介されて、それがまた中学の教科書に載ってしまうなんて、本当に驚きです。
 この世の中には、実にいろいろな事情を持った人々が住んでいます。もって生まれたいのちの姿も、まちまちです。そして私も、そのひとりにすぎません。そしてそのことは、実はみなさんも決して例外ではないと思います。違っていながら、それぞれが自分のいのちなのです。
 せっかく授かったいのちなら、自分からそのいのちを思いっきりいかして生きたい…。そう思って、これまで私は生きてきました。そしてそのためには、まずこちらからお互いにそのいのちを生かしあうような関係を、人々との間に創る必要がある、ということに気がつきました。
 みなさんは中学生です。まだしなやかで柔らかな心を十分に持ちあわせているはずです。もしそうではないと感じていたとしても、それを取り戻すことは容易です。むしろ下手に固まってしまった大人たちよりも、ずっと…。
 私はみなさんに手放しで未来を託したいと思います。かつて私がもっと元気だった頃つとめていて、もう約20年近くものあいだ交流校となっている、都立光明養護学校の中学部の生徒たちとの交流も、そのことを考えるきっかけになればと願っています。
 くれぐれも自分たちだけのせまい感覚や、ひとつの価値観にとらわれて生きてしまわないように。
 多様ないのちを認め、それを大切に生かしあうこと…。そうすれば、いつの間にか自分自身が自由になり、もっと楽に生きられることに気づくはずです。
 そのことを伝えるために、私はあえてここに出てきました。学校のまん前に住んでいるのだから、気が向いたらぜひ寄ってみてください。歓迎しますよ!
2003年07月03日