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同時多発テロについて2

 たしかに衝撃的な事件ではありました。
 乗っ取った旅客機で乗客もろともビルに突っ込むなんて! かつての日本のカミカゼ特攻隊が何かのヒントになったのでは…? 
 そんなことが頭をよぎったのは事実でしたが、アメリカ政府の要人までもが「真珠湾攻撃以来の屈辱的な大事件」として騒いでいるのを見て、「同盟国」日本、あるいは日本人に対してなんと無神経で、配慮のない発言か、とも感じたものです。この事件では、貿易センタービルにオフィスを置く日本の金融機関や企業の職員も、かなりの数が巻き添えになっています。こんな騒ぎ方しかできないのなら、広島や長崎への、本当は必要ではなかった原爆投下についても、もう一度責任を問いたくなってきます。たとえ日本が始めた戦争であったにしても。
 今回、一年前のブッシュ政権は、ビンラディン率いるイスラム原理主義のテロ組織、アルカイダを犯人と決めつけ、これに属する者と、それをかくまう国家はすべて同罪だとして、どちらにつくかを多くの国々に迫り、ほとんどの国を身方(?)につけ、タリバンの支配下にあったアフガニスタンへの武力攻撃に踏み切りました。
 この問題の背景には、まずパレスチナ問題、すなわちイスラエルを後押しするアメリカと、パレスチナを支持するアラブ各国との間の対立があります。それに、ユダヤ教やキリスト教、それに対するイスラム教といった、複雑な宗教対立が深く関係している。さらに、石油などの資源をめぐって欧米各国が争い、産油国の政治や経済、社会などにまで大きな影響を及ぼしてきたという歴史もあります。利権を独占するために、王家を残し、貧富の差を助長する結果を生んだ。貧しい人々が増えれば、そういう状況を生みだしたものに対する恨みが蓄積されるのは、ごく自然なことです。
 アフガニスタンについては、かつてソ連の侵攻があったとき、それに対抗するために武器や弾薬を大量に供与したのも、当のアメリカでした。
 「民主主義」の本家本元のような顔をしながら、発展途上の国々の共産化を防ぐためにと言って、それらの国々にクーデターを通して親米的な政権をつくったり、それによってできた軍事独裁政権をあとおしし、その国独自の民主勢力の弾圧に加担したりして、国益を図ってきたのが今までのアメリカです。朝鮮戦争等をはじめ、あまりにも多くのいのちを失い、障害を持つ人を増やすなどの犠牲を払って結局は敗退したベトナム戦争等々、枚挙にいとまのないこれらの経緯をふり返ってその一つひとつを解きほぐし、それらをふり返ってみる努力もせずに、今、また目先の国益だけを考えようとするブッシュ政権に、ぼくは強い危惧を感じます。
2002年09月11日