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腕を骨折して、入院していました

 おひさしぶりです。二ヶ月ほどご無沙汰してしまいました。
 じつは、腕を骨折して、入院していたのです。どうしてなのかって? ちょっとした拍子に…、としかいいようがありません。
 ありえないことではなかったとはいえ、すこしばかり特殊な状況下で起こったことなので、説明がしにくいのです。
 手術を二回もすることになってしまいました。単純骨折かと思ったら「螺旋状骨折(プロレスラーなみ? ええっ!)」ということで、金属のプレートを入れて骨を補強したのに、腕の筋肉の強い緊張のせいか、なかなか思うようにはゆかなかったようです。
 二度目の手術は、ぼくにとって極めてきついものでした。当日の夜もそうでしたが、その後も40度前後の熱がつづき、そのためもあって、緊張性の脳性マヒに特有の、起こりがちな筋肉の緊張と痛みの悪循環が、しばしば起こってしまいました。解熱剤と鎮痛剤がおなじ薬(ボルタレン)なので、一定の時間をおかないと使えず、ほとんど一睡もできなかった夜もありました。そんな時は、ただひたすら耐えがたい痛みをこらえているしかありませんでした。
 ところで、今回の入院では、ふだんは考えないこともいろいろと考えることができたと思います。これはこれからの自分の残された生き方に、いかしてゆきたい。
 また、ぼくが入院した当の病院そのものについても、直接感じたことがあります。ひとつは、いまの病院はまだ、システムとして医者だけが最高権力者なんだな、ということ、それに、そのこととも重なりますが、看護婦さんたちがする処置にしても、事前に説明がなさすぎる、ということです。説明がありさえすれば、積極的に従えたのに、と後になって思ったこともたくさんありました。
 さらに、患者ひとりひとりの普段の生活を、もっと重んじる努力もしてほしいと思いました。せめて入院時に「質問票」をつくって配るとか、その程度のことはその気になったひとがいさえすれば、さしあたっての第一歩として、始められるのではないか、とも思いました。それに、その患者がどういうひとであるかぐらい、観察しようと思えばかなりの程度できるではないですか!
 最近、「チーム医療」ということが言われています。おそらく、これからはそういう方向に、病院を含めた医療全体はすすんでゆくことになるのではないでしょうか? 
 そこまでゆくのに、日本ではまだ50年以上はかかるかもしれないと覚悟はしています。でも、やる気があるひとが少しずつでも心を合わせたら、意外に早く実現できるかもしれない。ひとりひとりの患者を個人として大切にし、それを医者、看護婦、理学療法士や作業療法士、管理栄養士、薬剤師、レントゲン技師、等々が、対等な立場で、それぞれの専門性を最大限に生かして治療にあたる…。
 患者とは、あなた自身なのですよ。
2002年06月15日