TOP
トピックス

遠藤 滋
結・えんとこ
えんとこ
ケア生活くらぶ

連載情報
 ┣ 遠藤滋一言集
 ┣ にわか歌詠み
 ┣ 調査結果報告
 ┣ えんとこ通信
 ┣ いのちの森通信
 ┗ 梅ヶ丘周辺マップ

障害者自立支援法
施行問題
支援費制度問題
映画『えんとこ』


掲 示 板
アンケート
スタッフ募集!!
リンク集
更新履歴

モデル共生住宅・“ケア生活館”を建てたい!

 21世紀がついにその幕を開けました。おめでとう…! 今世紀もよろしくね〜!

 ところで、ここ数年のことですが、新しい“すまい”のあり方を模索するひとびとの動きが、テレビや新聞にも紹介されるようになりました。きたるべき高齢化の時代、かならずしも家族の単位で住むのがよいわけではない、という認識が、さし迫った問題として、共有され始めているのかもしれません。

 都市部では、たとえば「高齢者マンション」とか「福祉マンション」というようなものを建ててゆくといった動き。何階建てかのマンションの、下層階には高齢者世帯、上層階には比較的若い世帯を住まわせ、そこに介護を必要とするひとがでてきたら、契約のもとに必ず何らかのかたちでその援助に加わる。そのさい、必ず医療・看護・介護、それにそれらの役割を統括するようなセンターをその中に置く、というような形で。
 分譲マンションではなく、賃貸アパートとしてまで、いろいろなかたちでの“すまい”が模索されはじめている…!
 それらを経済的に後押しするような団体も、すこしずつできてきているようです。

 あえていなかに生活の場をおいて、たとえば中伊豆の修善寺から少し東に入ったあたりに、広大な土地を確保し、農耕を基礎にした、総合的な居住空間をつくろうとしているひとたちも、いるらしい。わりに経済的に豊かな家庭の主婦たちが中心になって計画を進めているらしいのですが、保育園や小学校、それに病院まで作ろうとしていると聞いては、果たしてそれだけで経済的な裏付けが可能なのかどうか、きわめて興味深いことのひとつとして注目しています。
 ぼく自身も、れいの西伊豆松崎町に造成中の“いのちの森交流農場”との間を往復するとき、年に一、二度は必ずちかくを往復しているのだから、ぜひ訪問したい、とも思っているところです。その時は、ぜひ歓迎してくださいね!

 いずれにしても、これは、国や地方自治体の「現場感覚のない」役人たち、そしてそれを主導すべき立場の政治家たちにまかせていても、それだけではどうにもしようがない、という焦りにも似た気持ちの表れなのでしょう。「それは国のせいだ」「政治家が責任をもってやるべき仕事だ」などとは言っていられない事態…?

 ぼくらは、自分たちひとりひとりの力で、本当にお互いのありのままのいのちをいかしあう、その拠点としての共同集合住宅、「ケア生活館」を都内に建設することを、15年ほど前から模索し、調査と研究を重ねてきました。障害者だけの住居の問題としてではなく、むしろそれを媒介としながら、すべてのひとを排除しない生活空間の問題として。
 その途上で、西伊豆松崎に、ただでさえ多くはない私費を投じて山林を確保し、せめて食べ物の一部や、その他生活に必要なものを自給すべく、くだんの「いのちの森交流農場」を建設しようと、その土地を整地し続けてきたのです。蟻の歩みのように…。

 もともと、それはぼくらだけでできることとは考えていなかった。つまり「ケア生活館」と、「いのちの森交流農場」とは、ひととひととがそのかけがえのない‘いのち’をいかしあって生きるための、対となるネットワークの拠点として構想していたのです。
 これらが近い将来、全国的なネットワークの単位となればいいのですが…。 
2001年01月01日