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札幌に行きました

 札幌に行ってきました。9月30日に羽田をたって、10月3日まで。

 「伊勢真一映画祭」というもよおしがあって、その初日の10月1日に『見えない学校』とともに、『えんとこ』が上映され、トークに呼ばれたのです。
 上映のあいまの、全体で1時間ほどのトークショウの中で、しかもわりあてられた20分の時間では、遠藤はほとんど何も話せないだろう、ということに気づいた伊勢自身が提案したのか、あるいは札幌の主催者団体のだれかが希望してくれたのか、それは分かりませんが、あくる2日の晩に、交流会を呼びかけてくれたのです。これは楽しかった。来てよかった…、とほんとうに思いました。
 主催者側のひとたちを別にかぞえれば、30人以上のひとが集まっていたでしょうか? 映画の感想をきいたり、逆に集まったひとたちの質問に、わざと裏話をまじえてこたえたり、すばらしい出会いのひとときを過ごすことができました。

 その前日の夜には、北海道ならではのおいしいものも、食べさせてもらいました。新鮮なイクラに、ナマの卵黄をかけたもの、それにホッキ貝! …ウニはもちろんのこと、カニ、ナマエビなどの鮨も、東京では決して味わえないものでした。それに石狩鍋など。
 札幌味噌ラーメンも、車いすに座ったままで、かろうじて味わうことができました。

 それよりも何よりも、もっと驚いたことがあります。
 介助者を含めて、ぼくが泊めてもらったところが、小山内美智子さんをそのリーダーとする、「札幌いちご会」が、わずか半年前に実現させたばかりの、念願の施設だったことです。名前を「アンビシャス」といいます。障害者の自立生活を実体験をとおして促すための、いわば総合施設です。デイケア施設の性格や、保養施設の性格もあわせもっています。とっても居心地がよかった…。

 いわゆる障害者運動にいくつかの流れがある。本州では、やはり「青い芝の会」系が運動の流れとしては強いのかな? それに新旧左翼系の流れ? それ以外の運動のリーダーにも、ぼくはできるだけ会うようにしてきました。たとえば山口県からはじまって、いまは沖縄にも本拠をおいている、「土の会」の木村浩子さんにも。
 それでも遠すぎて、なかなか会えないできたのが、小山内さんたったのです。『えんとこ』が伊勢の映画祭のメインとして札幌で上映されなければ、ありえなかった事実でした。玄関口で、立ち話ができただけでも、ぼくにとっては幸運でした。だって、労さずして彼女との人間関係の窓口がひらけたのだから…!

 札幌には、じつはそれ以外にも、きわめて個人的な想い出がありました。甘苦い…。
 おなじ大学で、しかもおなじ学部・学科だった札幌出身の女性と、結果的に遠距離恋愛(?)とでもいう関係になったことがあるのです。かぞえてみれば、もう、30年も前。2月のいちばん寒いころ、彼女のさそいで札幌に3週間ほど滞在したことがあった。そのとき、すすき野のおいしいラーメン屋とか、のみ屋にもつれていってもらいました。
 結果的には、ぼくのひがみ根性が原因で、彼女に縁談がもちあがったとき、冷静な対応ができず、そのために彼女を傷つけるような行動をしてしまったことがあった。それで、自分で自分が許せなくなってしまったのです。豊平川の河川敷にいってみたのも、そういう過去からひきずった気持ちを清算したいという思いがはたらいていたのは事実です。でも、HBC(北海道放送)には、そこまで踏みこんできてほしくなかった。
2000年10月10日