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遠藤 滋
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NO.52  1998.10.29

 みなさん、いかがお過ごしですか。えんとこでは10月からへルパーさんが交代し、慌ただしさの中にも、穏やかに、新しい季節が訪れつつある、みたいですよ。

: 北村くんごあいさつ :

こんにちは、北村です。9月いっばいで「えんとこ」のへルパーをやめましたので、この場を借りて挨拶させていただきます。
思えば、昨年の8月末に遠藤さんに面接してもらい、9月には仕事を始め、それからいつの間にか一年。遠藤さんともよく話題にしましたが、「この一年はあっという間だった」というのが素直な感想です。日常的な介助以外にも、ホームページの開設新人募集、伊豆旅行など、やることがいろいろあったからでしょう。すべてがおもしろかったし、貴重な経験になりました。
いろいろな人との出会いがあったのもよかったです。ボランティアの方たちとの交流や医療や福祉の現場にかかわる人々の仕事ぶりを垣間見ることができたのは、大きな財産になったと思います。
今はシルバーサービスの会社でへルパーをやっていますが、今年の12月あたりから社会福祉士養成施設(昼間・1年制)の入試を受け始めます。今の会社で正社員になって(現在はまだ見習いです)、資格は通信教育で取ろうかとも考えましたが、時間がかかるのと、一度は福祉関係の学校で集中的に勉強しておいたほうがよいというアドバイスもあり、決心しました。地方の学校に決まった場合は、遠藤さんのところへ行けなくなってしまい、ちょっと寂しいことになりますが、メールなどで様子を知らせてもらえれば少しは安心かな・・・。もし、何かあったら北村までいつでも連絡してください。

以上、挨拶はこんなところです。今まで一年間どうもありがとうございました。でも、これからもボランティアとして介助には来ますので、よろしくお願いします。新しいへルパーさんとも協力して、みんなで「えんとこ」をつくっていきましょう。

: 新ヘルバー・斎藤さん ごあいさつ :

 斎藤民子と申します。はじめまして。
 26才になりました。
 大学卒業後、東京の会社(出版社)に就職し、その後「たくさんの経験をしたい」というのと「以前からやってみたい」という動機から鹿児島県の沖永良部島で住み込みで農家のお手伝いをしました。キャリアを積んだということにはなりませんが、沖永良部島での生活は大きな財産となりました。
 毎日のお天気を気にし、土を触り、畑でクワを持って汗を流すという日々は人間の底力を感じさせる、生きることへの力強さを味わいました。20数年間、親元で生活を送り温室育ちの私には見るもの、体験するもの全てが勉強でまた、鍛えられたと実感しています。
 島から戻り、東京に来てすぐにホームへルパーの2級の講習を受け遠藤さんに採用していただき、現在に至っています。
 へルパーの資格があると言っても遠藤さんの所が初仕事となるので、不慣れで自分でも困ってしまうぐらいに遠藤さんにはご迷惑をおかけしています。でも、遠藤さんは優しく辛抱強い方のようで苦笑いしながらこんな私の振る舞いを許してくれています。
 申し訳ありません、遠藤さん。
 遠藤さんの心配なしで動けるようになりたいと思います。
 介助の方々とはまだお会いしていない人が殆どですが、どうぞよろしくお願いいたします。過去の日誌や遠藤さんからの情報によりお名前等は把握しつつあります。

 最後に。私はダジャレ王なので自己紹介に私のダジャレコレクションの中より一部披露させていただきます。
●本が水に落ちたよ。「ブックブックブック・・・」
●三菱の鉛筆、「ふみつびした」
●ワカメは海に「海草(返そう)」シーフード料理は「海鮮(返せん)」
●カタツムリと競争して「かったつむり(勝ったつもり)」

 

: 伊豆のリハピリ介助に参加して :

遠藤さんにとって一年間の中で最大のイべントではないかと思われる伊豆行き・・・。今夏は、5泊6日のリハビリの内、4泊5日に亘りお供させていただきました。
海でのリハビリ介助は、私に大きな驚きと感動を与えてくれました。遠藤さんが海の中で立ち、左足…右足…と動き前進していくではありませんか!しっかりと歩いている姿に感動しました。
リハビリとは、身体的機能の悪化防止や改善をするだけでなく精神的にもリフレッシュするために重要なのだと、一緒に海へ入って実感しました。
24時間以上も遠藤さんや介助者のメンバーと過ごしてみると、家族のようで少し違う不思議な感覚を味わえたり、遠藤さんの生活のリズムや体の徴候も知ることができ介護福祉士を目指している私には、非常に勉強になりました。その他に、皆で夕食を作ったり、温泉に漬かったり、夜には花火をし、明け方まで語り合う・・・といったような、盛り沢山の日々でした。それにしても、白砂さんが育てている胡瓜は「大きい」まるでへチマのように…一本でどんな料理も十分! 取れ立てのアシタバや大葉も天ぶらにして食べました。
今回私は、普段は引き継ぎの数分間であったり、初めて会った介助者の方々と出会い、一緒にいろんな体験をし、沢山話しを聞き、今までの人生観や普段の生活状況が変わってきました。自分の中でもこれ程大きな影響を受けたことに戸惑ってもいます。 こんな私ですが、また機会があれば、参加したいと思っています。皆さんも来年、再来年あたり参加してみてはいかがですか? きっと心に残るものをもって帰れるはずです。今回のように介助者が常に5、6人体制であると、効率良く動くことができるのかと思います。運転手はできれば2人いていただけると尚良いでしょう。山道のドライブは最高でした。

佐藤涼子

建物調査活動 活動記録

 1997年6月8日を初回としてスタートした「建物調査」も、はや一年半が経とうとしています。これまでの活動記録はすべて、ケア生活くらぶのホームぺージに載せてきました。ホームぺージにアクセスできる方で、まだご覧になっていない方はぜひご覧下さい。
 調査はすべて実地で行っています。毎月一回、調査対象を決めてそこへ出かけて行き(多くの場合、遠藤さんも一緒に)、メジャーと分度器を使って、段差や傾斜、手すりの高さや扉の幅など、気になる部分を計測します。また、ホームぺージにのせるための写真も必ず撮っています。具体的には、遠藤さんの自宅を中心に梅ヶ丘一帯の公園や道路、駅や福祉センター、さらに最近では光明養護学校などを調査してきました。調査のポイントを毎回遠藤さんからアドバイスを受け、特にその点に注意してデータを集めます。
 いろいろな障害を持つ方が「住む」環境、つまり個人の住宅を第一に考えて、より多くのデータ(調査結果)を集めたいと思っているのですが、実際には、個人で調査に協力してくださる方をなかなか見つけられない、というのが現状です。こうした問題点をどのように解決していこうかと、現在あれこれ考えています。
 これからも梅ヶ丘中学や周辺の小学校、高校を調査していくつもりですが、それに加えてこうした調査を行っていることや、実際に調査に参加してくれる個人・団体を探しているということを、もっと多くの方に知ってもらう努力をしていくつもりです。

****************

 少しずつでも記録を取り、調査対象を広げていくことに意味があると信じてこれまで続けてきました。私個人は、一年半の調査を通して、障害を持つ人も持たない人も同じ街に住んでいるのだから(実際私は梅ヶ丘に住んでいます)、すべての人が住み良い環境を一緒に築いていきたい。そのために、ケアを必要とする人とケアをする立場の人がお互いの視点を理解し、協力して、それぞれの家づくり、街づくりをしていけたらなぁ、という思いを強くしました。
 どのように調査を行っているか興味のある方は、ぜひ一度、調査にご参加ください。その時間がない方は、一度ホームぺージを覗いてみてください。ちよっとした発見があるはずです。

(1998.10.22  KH)

http://home.interlink.or.jp/~entoko/index.html

   7月と9月の調査は、光明養護学校で行いました。
 ホームページ上でツアーができます。

 

北村くんを囲む会
趣旨:北村くん、一年間おつかれさまー!
日時:11月8日(日)17:00〜。
場所:えんとこ。
持ち物:飲み物でも、食べ物でも、一品。

 ※斎藤さんの歓迎会も兼ねたかったのですが、彼女の都合により、斎藤さんを囲む忘年会(仮)まで延期。恒例の忘年会は12月19日(土)18:00〜の予定です。
 えんとこにて。幹事、求む。

: 遠藤さんの一言集から :

 ご無沙汰しています。ひさしぶりの登場です。
 いっこうに夏らしくない夏も終わり、とうとう9月に入りました。3月から4月にかけての、つまり年度がわりに避けてはとおれない雑務は別にしても、それ以後もずっとこのホームページに連載している、家や公共建築物の「調査結果報告」づくりに躍起になってきたような気がします。整理をしていて、データにどうしても納得できないところがでてきて、何度か測り直しにも行きました。また、介助者募集のポスターやチラシを見て連絡してきてくれる人があれば、そのつど顔合せも必要です。
 毎年、今頃になると、さしたる具体的な理由もなく、精神的に疲れはてたような、人恋しいような、ちょっと誰かに甘えたくなるような気分になることがあります。
 今年もそういう心の間隙をついて、みごとにばくの中に忍び入ってきたものがあります。『セレモニアル〜An Autumn Ode』。笙とオーケストラのための、武満徹の曲です。
 毎週、土曜日の夜8時からETVで放送している「N響アワ―」。9月5日には、サンサーンスのイ短調のチェロ協奏曲など、今話題の、あるチェリストを独奏者として、チェロの曲を2曲やっていました。そして残った時間をうめるかのように放送されたのがこの曲だったのです。笙の独奏は、宮田まゆみ。指揮はアンドレ・プレヴィンでした。
 笙という楽器は、ちょうど両手の上に軽くのるほどの、小さな楽器です。雅楽で使われているのはもちろん知っていましたが、あの大きなパイプオルガンにも似た、しかも神秘的な響きを持っています。武満のこの曲では、はじめにしばらく笙のソロの部分があり、その後にオーケストラとの協奏の部分がある。そしてまた笙のソロで終わっています。
 その、初めのソロのあとオーケストラがでるあたりで、笙を中心にひろがってゆく音の世界のあまりの美しさに、こみあげてくる感動のあまり、あやうく泣きそうになってしまっていたぼくでした。心が洗われるのと同時に、しばらくぶりに本来の自分に返ったような気もしました。
 翌日、武満徹がその音楽を担当した『乱』、『どですかでん』等の映画の監督、黒沢明が亡くなりました。実際には、この数時間後のことだったのでしょうか・・・。

1998年9月8日

(ホームぺージ http://home.interlink.or.jp/~entoko/index.html で読めます。)