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えんとこ通信  第29号
1994年6月19日発行

単なる「経験」や「思い出」に終わらせてほしくない

 5月29日。ぼくの家はすごい人口密度でした。途中から帰った人、遅れてきた人、間にちょっと顔を見せた人など、こんなに大勢の人が集まったのは、ここに引っ越してきて以来初めてのことだったのではないでしょうか。何人来たのか誰も知っている人はいなかったほどです。残念ながら当日来られなかった人も含めて、介助にきてくれる人が、こんなにも増えたなんて、とてもうれしく、また心強いかぎりです。
 会もとても楽しいものにすることが出来ました。差し入れをしてくれた人、座を盛り上げてくれた人等々、ありがとう。とても感謝しています。
 さて、話は日常の現実のことに戻ります。こんなに人が増えたのだから、1日24時間、1ヶ月30日なり31日なりが全て介助者で埋まり、なに不自由なく交代できる体制が出来たかというと、これが実はそうではないのです。ウィークデーの日中は介助者を見つけるのが相変わらずとても困難ですし、泊まりの出来る介助者の数も、3月までとほとんど変わらないというのが、現状です。
 ウィークデーの日中については、学生さんやお勤めの人ばかりでは限界があるでしょう。それ以外の人たちにも何とか食い込む必要があります。思いきってビラやポスターを増し刷りしてありますので、それらを配ったり貼らせてもらいに行ったりすることにも協力してもらえたら幸いです。その場合の交通費などは、直接ぼくの介助に入っていなくても、それと同じ要領で、出したいと思っています。その際は遠慮なく請求してください。
 また、せっかく今年こんなに大勢の人と出会えたのだから、その出会いを一つ一つ大切にしてゆきたい。介助とはお互いにそのいのちを生かしあう、そういう関係を創りあげてゆくための窓口。今直接にはそれはぼくの方から切実に求めているものだけれど、ぼくはそういう姿の自分のいのちを積極的に肯定し、生かそうとする事によって、ぼくに関わってくれるひとりひとりの人に、いのちを生かすことを、身をもって示しているのです。そういうところから、ぼくは人との新しい関係を作り出してゆこうとしている。
 だから、ぼくとの1対1の関係だけでなく、ぼくの介助に関わってくれる人同士の横の関係も同じように創ってゆきたい。人間関係をひらいてゆく、ということをめざしているのも、ぼくの「介助」のとらえ方の結果でしょうか。こういう視点は他の障害者のところにはまだないと思います。
 でもそれについてはまたおいおい書いたり話したりすることがあるでしょう。実際問題として誰かが急に都合が悪くなって介助に入れなくなった場合でも、そういう横のつながりがあれば、すぐに誰かに代わってもらう、ということも可能になるでしょう。そういう意味でも横の関係は大事だと思うのです。
 ただの狭い仲良し関係にとどまることなく、ぼくを媒介にしてひらかれた新しい人間関係をみんなで育てていってほしい。それでこそぼくが生きている甲斐もあるというものです。あなたが出会ったのは、ただの障害者という抽象的な存在なのではなく、ぼくというひとりの具体的な人間なのですから。

(遠藤 滋)

<お知らせ と お願い>
(1)介助者保険について:
 僕の介助をしていて、あやまってケガをさせてしまった場合、または自分自身にそういうことが起こった場合、更に、たとえば、僕のストレッチャー等を押していて他人にケガをさせたり、器物を破損してしまった場合、介助者保険が適応されるようになりました。遠藤滋&介助者グループの名前で登録してあります。保険料は区が払ってくれます。仲間達との交渉で勝ち得た成果なのですが、そういうことがあった場合はご安心を!!
(2)介助料について:
 介助に入ったら、帰る前に必ず介助月表に必要事項を記入して下さい。ボランティアだからそんなものいらないという人も、ひとまずは受け取って下さい。時間当たり僕の所では350円として計算しています。受け取ったお金の生かし方くらいあるのですから。
(3)時間帯について:
 介助に入れる時間帯をできるだけ前の月の末までに決めようにしたいと思います。誰もいない場合はハンズ世田谷に頼らざるをえないことになります。その場合4日前には連絡するように言われています。それを過ぎると、介助者を探してはくれますがどうしても見つからない時は、本当にお手上げ状態になってしまうので・・・。
(4)約束時間について:
 僕は介助者をボランティアとして募集しています。でも内容は生活の介助ですから、いのちがかかっています。約束時間は基本的にしっかり守って下さい。万一、事情があって遅れる場合は必ず電話で知らせて下さい。30分〜1時間くらいなら何とかなる場合もあるし、来ることさえ分かっていれば、不安を感じずに一人で待っていることも可能です。
(5)介助者の食事について:
 僕の所にある物、又は買い物に行ってもらったものを料理をし一緒に食事をした場合、介助月表に[1]と書いて置いて下さい。後で会計の人が計算して全体の介護料の中から400円づつ、僕の家計に戻してくれることになっています。ただ、作った介助者が食事時間の前に交代してしまう場合、次の介助者の分まで作っておくのかどうかについては、あいまいなので、今後相談が必要です。
(6)残っている食料の処分について:
 明らかに腐っている物等は例外ですが、基本的には本人に確認してからにして下さい。ゴミはできるだけ少なくしたいのです。調理の仕方で見事によみがえる事もあるのですから!!

 

−−−先日行われたmeeting兼新歓パーティーのコメントを荻野麗奈さん(最近、介助者ノートで大活躍中のあの人!)からいただいています。−−−

 私は介助に入るようになって間もなかったので、この会でたくさんの他の介助の方たちにお会いできることをとても楽しみにしていました。当日(5月29日)は、我らが遠藤さんのお誕生日ということもあって、本当に多くの方がお見えになり、とてもにぎやかな会になりました。ほとんどが初対面の方だったにもかかわらず、皆さん明るい方ばかりで、すぐにうちとけてお話しすることができました。遠藤さんがいつもおっしゃる”ヨコの関係”もずいぶん広がったように思います。
 また、私を含め今回新しく介助に入られた方の多くがポスターやチラシを見て遠藤さんのことを知ったということなので、今後もより多くの人にこのポスターなどを見てもらえるようにしていきたいと思いました。
 今回のパーティーでたくさんの方とお話しし、大学時代の遠藤さんのこと(よく仲間と集まっては、お酒を飲んでいた・・・など)や、介助のみなさんのボランティアに対する考え方など、貴重なお話を聞くことができました。これも多くの人が集まった成果といえるでしょう。
 中でも、遠藤さんが大学生だったときの同級生だという伝田さんがおっしゃった「私達よりも重い障害を持っていて、より多くの介助者を必要としながら、人を集めようにもそれが困難な状況にある方もたくさんいるという事を忘れないでほしい」という言葉が心に残りました。
 今回は、私にとって勉強になることも多く、何よりとても楽しかったので、途中で帰らなければならなかったのが非常に残念でなりませんでした。本当に、遠藤さんの介助に入って良かったナァと思った1日でした。これからもこのような機会に多く参加し、今回残念ながら来ることのできなかった方達とも是非お会いしたいと思っています。
 もちろん、ふだんの介助も今まで以上に頑張りますからね。遠藤さん。

Meeting Information

   日時 : 6月26日(日)  午後3時 から
 今回は、介助者からの意見を参考に’講習会’をやってみようと計画しています。
 介助の仕方は人によって様々。又、この4月から新人もゾクゾクと集まり、まだ不慣れな点や分かりにくい点も多いのではないでしょうか? そこで毎月行われているミーティングを利用して、お互いの介助法を話し合い、よりよいやり方を見付けていこうということになりました。1人で介助をしていたのでは気付かないことが多々あるはずです。この機会を逃さず、是非出席してみて下さい。
 そして多くの出会いが生まれることを願っています。

[制作にあたって]
 今回の”えんとこ通信”はワープロのない私が担当させていただき、大変乱筆ゆえに御見苦しいことをお詫び申し上げます。 今後更に遠藤滋&介助者グループを盛り上げる為、皆様一人一人の御支援を期待しています。