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遠藤 滋
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1994年1月20日発行

 今年初めてのえんとこ通信です。皆様どうぞ今年もよろしくお願いします。
 素敵な出会いがたくさんある一年にしましょうね。

 それでは、早速遠藤さんに今年の目標を聞いてみましよう。
1994年の目標
1− 遠藤さんの実家をあてにしない介助体制を作る。
 今年こそは、24時間介助体制をつくりたいものです。より多くの人に声をかけたいと思うのですが、皆さんにお願いしたい事は:
1-a)4月になったらビラ、ポスターを発送出来るように3月までに準備をしておく(4月は、従来の生活パターンを変えて新たなスタートを切る人が多いから)。
1-b)発送先は学校に限らない。どこが良いか皆の知恵を借りたいのです。たとえばボランティア休暇制度がある企業など。斬新なアイディアを求めます。
1-c)ビラ、ボスター送付先への宛名書きの協力をお願いします。
2− 遠藤さんの一日の生活パターン作り
2-a)矯正をするために一日のうち2人が重なって介助に入れる時間をとる。
2-b)午後2時から5時のフリータイムに創造的活動をしたい。さしあたって書きたいものがいくつかある。それは、かつての同僚、芝本さんとの思い出を残しておきたいのがひとつ。また、時間・仕事(福祉)というものに関する遠藤さんなりの考えを是非まとめておきたい。そして、出会い、人間関係について、書きたいことが沢山あるのです。
2-c)残念ながら現状ではこのフリータイムには買い物・タ食の準備のために介助者の手をとられてしまう。何か名案はありませんか? たとえばへルパーさんが来た時に何日分かの食事をまとめて作っておいてもらい冷凍しておくとか。
 以上ですが、みんなで協力して実現させましょう。

 さて、遅ればせながら、昨年12月9日(木)に遠藤さん宅で開かれました忘年会の模様をご紹介したいと思います。去年のことで、記憶がさだかではないのですが、平日の夜だったにもかかわらず13名余りの人数が集まり、なかなかの盛会となりました。珍しく、皆さんご存知の「ケア生活くらぶ」で、伊豆の甘夏の山を整備している白砂さんや、久々にいらしたとおっしゃっていたセツ聡明さん、会計でお世話になっている平沢真希さんも登場しました。おいしい手巻き寿司をほおばりつつ、自己紹介をしたり、この日ラッキーにもお誕生日だった伊藤さんをお祝いしたりしていたら、あっという間に終電の心配をしなければいけない時間になってしまいました。
 とても楽しいひと時だったので、ぜひ今度はもっと楽しい新年会を計画しよう! と決意して帰途についたのですが、いざ1月になってみると、大学では試験期間に入り、パーティ以前に介護の人も容易に見つからない状況になってしまい、諦めざるをえなくなりました。残念! ま、そのうち節分会でもやりましょうかねえ。

それでは、まだ自己紹介をしていなかった人をご紹介します。


 アバン・ギャルドな、この作風は、皆さんよくご存知の彼です。3Dメガネなしでも、よっく見れば、誰かわかるハズ・・・。

編集者の独り言
 21世紀へ向けて、すごいスピードで世界が動いている。東西冷戦終結から、あれよあれよと言う間にベルリンの壁が壊されるわ、あのソ連は、資本主義世界を脅かす不気味な脅威と恐れられていたのが嘘みたいに、いまや、やたら外資を借りたがる割に、我が侭な、ロシアを取り巻く小民族国家に分裂してしまった。あれ程強烈な、アパルトヘイトといぅ人種偏見を貫いていた南アは、もうすぐ黒人も参加しての総選挙が行なわれるそうな。
 変わらないでいてくれるのは中国くらいかなあ、いや、あの北朝鮮は曲者かもしれない。あれ、どちらも日本のお隣でないの。桑原、くわばら。 さて、歴史に学ぼう、という言葉をよく耳するけれど、ここ2、3年を振り返ってみるに、もしかすると私達って歴史の大転換期に直面しているのかもしれない。日常の生活に紛れて、ECがまとまろうと、内部分裂しようと気にもとめないでいるかもしれないけど、案外、10年後に世界史の教科書を見ると、偉い学者さん達が、色んな有難ーい評価を下だしてくれている大切な時なのかもね。
 そんな風に考えると、この1994年という時間を仇やおろそかに過ごしていてはいけないと思ったりするんでありますが、こんな私って変ですかあ?
 だから何をする、と聞かれると困るんですが、少なくとも世界の変化に流されて行くのではなく、毎日毎日、自分がいるポジションを意識しておく必要がありそうに感じているのです。私がもし、今の香港市民だったら、こうするだろう、とか、イスラエルに生まれていたらPLOの人と結婚することがありうるだろうか、とか、(考えてもしょうもないんだけど)無関係な国の出来事と無視せずに、自分と同じ人間の身に降り掛かっていることなのだという実感をもっていたいなあ。そして、今の世界がこうなったら良いなあ、と漠然と感じている事を話し合える人を探したいのです。資本主義も社会主義も無理が崇って現在に至っているとしたら、今、地球人達が求めているのは、ひいては、一人一人の私が日常の中で求める事の集大成だと思うから。
 さて、視点を移して、それらの国の1つとしての日本です。バブルがパッチンとはじけ、自民党独裁がくずれ、さあ大変! 拝金主義はかならずしも心豊かな生活をもたらしてくれない事にちょっぴり気づき始めたかしら。私にとっては、とても嬉しい不況時代です。どんどん目新しい物を買いまくるより、おじいちゃん、おばあちゃんに貰ったタンスを修理したう! 自分の幸せは自分の価値基準で決めましょう! ちなみに、これは私が30年ほどのしょうもない人生で痛感した苦い教訓です。
 もちろん、物質的に快適な生活も捨て難いけれど、賛沢をしたいとは思わないのです。人の事を思いやるゆとりのある、本当に人間らしい時間を充実させてゆきたい。弱肉強食が生存競争の原理だとしたら、これだけ文明とか知識を蓄えたホモ・サピエンスが唱えるべき理念とは、人類の平和的共存、弱者救済、人類みな兄弟、じゃないのかなぁ。学問って、その実現のためにするもので、金儲けの道具じゃなかったはずですよねぇ。人種の違いや宗教の対立って、あちこちで戦争が無くならないけれど、それって、視野が狭すぎる気がする。
 「いつかは、どうぜ、皆死ぬんだよ!」だったら、短い人生、たまたま、この地球に人間として生を受けた者同士、触れ合って、静かに人生を分かち合いませんか?
 こんな、たわいもない事を、でも、それだけに実行が難しい事を出会う人達にぶつけていこうと思っている私の1994年。
 あなたの考えを聞かせて欲しいな。編集者としては、色んな人に「えんとこ通信」へ投稿してもらう事も今年の目標のひとつだから。
 んじゃ、また。

(かおる)

(紙面の私物化、ひらにご容赦下さい。)

 最後に一言。現在、遠藤さん達世田谷区在住の障害者の人達が区と介護料を上げて欲しいと交渉を重ねています。残念ながら増額は難しいとの回答か得られていませんが、先にもおしらせした通り、介助者保険いう制度も導入され、皆さんの保険を一括してかける事ができるようになりました。そしてこの度、介助者の鍼やマッサージの医療費も保険請求の対象に認められることになりました。もしもの時には心強い展開です。また、今後も介護料の増額に向けての交渉は粘り強く続けていくつもりだということです。