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1993年8月8日発行

夏休み特大号だい!!

 盛夏...とは言え妙に涼しい日が続きますが,皆様SummerVacationを満喫していらっしゃいますか?
 さて、今日は8月1日(日)の介助者ミーティングについての簡単な報告と、その後催された「真夏の夜羽木公園スペシャル花火大会」の模様を微に入り細に入りお話ししたいと思います。
 思い起こせばあの日はじっとしていても汗ばむような、まるで夏のような日で、遠藤さんを囲んで、総勢11名もの介助者が一室に集まったからには、室内は超過密状態で、その後の違藤さんの話をボーッとしながら聞いていたもんで、残念ながら、話の断片しか記憶にありません。強いて言うなら、介護料の会計報告のことと、ボランティア保険に加入した方が、万一,介助者がが怪我をした時や過って人に損害を与えてしまったり、もしかすると遠藤さんを落っことしてしまった時(気をつけましょうね,こわれ物ですから)に助かるのではないかという話だったように思います。
 それから、誰もが抱いていた素朴な疑問。泊まりの介護のとき、お風呂にはいってもいいのかなあ? 遠藤さんは、タイミングをはかって、さっとはいるんであれば、勿論問題無い、と言ってました。また、私は使ったことが無かったのですが、ガス湯沸かし器の点火に微妙なコツがあるそうなので、今度習得してみて下さい。
 ここでチャチャが入ったのを良い事に、ミーティングはなしくずしに終わりとなり、さあ、あとはこっちのもんだい! とばかりに、用意してあったおにぎりとタイ風カレー(辛いんだよー、遠藤さんは泣いてたし、伊藤さんは狂喜して食ベてました。人それぞれだねえ)で軽く腹ごしらえ。程良くアルコールもまわってきたところで、一同真暗で人気もなくなった羽根木公園へ向かったのでした。良い子だから、ちゃんと水の入ったバケツも持ってったんだョ。花火なんて久しぶりだ。公園の奥にある野球場にはすでに先客のあんちゃん達がいて、おっそろしく賑やかにバンバンやっている。「もしかしたら花火が飛んで来て危ないかもしれませんよ」なんて親切に警告してくれました(バカヤロー!)
 良い子の私達は,手始めは可愛らしい棒のついた花火をシューシュー,パチパチ楽しんでいたのですが、暑さと酔いと、そう、あれは夏がもたらす高揚感とでもいうのでしょうか、次第に過激な花火をもとめるようになっていったのです。プロの花火師も顔色を失う身軽な身のこなしで点火しては逃げてくるY君。そして、息をのむ瞬間。「あれ、火ついてないじゃん」・・・一同の避難の目を痛いほど背中に感じながら、再度の点火。「この花火はすっごいんだぜ」なんて前説はいいから、早くしてよね。
 「うわぁ,横にとんでった。おもしろい花火」・・・「真上に上がるはずだったのに。ウッウッ・・・」泣くな、男の子だろう。中国製の花火のせいなのさ。

 この間、遠藤さんは,急須に入れて運んだ日本酒をお湯呑に入れてもらい、それをストローでチューチュー飲んでいて、すっかりこご機嫌。でも、人生良い事ばかりってないもんですねえ。つぎのパラシュート打ち上げ花火では、バラシュートが落ちる前につんだだ人に素朴な賞がでます、と言われ、皆、色めきたったのですが、どこでどうなったのか、見事賞を獲得したI君、S君は、愛しの遠藤さんから熱い接吻をもらえることになりました。一同固唾を飲んで見守る中、逃げ場の無い遠藤さんは、観念したのか、内心うれしいのか、2人から両頼にチュッとしてもらいました。この三角関係がどういうドロ沼に発展して行くかは今後の追跡調査にご期待下さい。
 こんなド迫力の場面のあとは、しっとりとノスタルジーにひたりながらの線香花火で口直しを。みな、悪い夢を振り払うかのように、か弱い火の粉を落とさないように、1人の世界にはまってました。
 普通ならここでお開きとなるところですが、普通でないこのメンバは、何を思ったのか、輪になって風船バレ―を始めてしまいました。(なぜここに風船なんか持ってきてたわけ?)あげくは、風船落としたら罰ゲ一ムだというので、ムキなって風船にタックルしてました。風船をトスするだけではあきたらず、順番に知ってるコンビニの名前を言えとか,カツラ屋の名前言えとか、次々と難問が出され(アートネーチャーとアデランスが出てしまって、3番目に当たった人は、もちろん風船には間に合ったんだけど、泣く泣く罰ゲ―ムでした。あなたならどうする?)近くでバンバンやっていたロケット花火のアンチャン達もあきれてしまう程のテンションの高さでした。
 私の話はここで終わりますが、皆さん今回のエントコ通信を読んで、どんな感想を持ちましたか? 染まってしまわないうちに早く足抜けしよう、なんてまっとうな事を考えている人がいるとしたら、あなたこそ私達が求める救いの主。是非、普通でないこの集団をあなたの力で更生させて下さい。(すっごいボランディアだぜ!)
 何が起きるかわからない次回の介助者ミーティング+αは9月4日(土)タ方4時からです。ではまたお会いしましょう。
PS.電話連絡網の訂正です。左の一番下にあるカンケ氏の正しい漢字は菅家さんです。夜は1O時までに連絡を、とのこと。お詫びとともに訂正させていただきます。
 「えんとこ通信」は、皆さんのコミュニケーションの場です。夏休みの体験、人生論、何でもOKです。ドシドシ投稿して下さい。

ボランティアって、何?

遠藤 滋

 ボランティアって、何? という問いがある。これについてはひとまず、答えを保留しておこう。
 ここに「寝たきり」のひとりの重度障害者がいる。ほとんど24時間の介助が必要な彼は、これまで何年にもわたって在宅介護の公的保障を求めてきた。が、いまだに十分な額の「介護料」の給付は受けえていない。いきおい、彼の介助は「無償に近い」ポランティアの得難い誠意に頼らざるをえないということになる。
 しかし、いくら誠意に頼るといっても、毎日のことである。介助者とて霞を食って生きているわけにはゆかない。この世の中、もし彼にはりついている時間をアルバイトにでも使えば、それなりの報酬はえられるのである。だから、自分自身の介助体制の安定のためにも、事実としてせめてアルバイト料に匹敵するぐらいの「介護料」の保障はぜひとも必要だ、と彼は切実に考える。
 それにしても、近年の海外へのボランティア熱はいよいよ盛んだ。「経済大国」日本の人的貢献への期待にそれなりに応えてゆこうというのだから、大いによしとすべきか。だが、この一見「豊かな」日本の中に、例えばこのような問題がとり残されているということを、いったいどれだけの人が気づいているのだろうか。いざわが身にふりかからなければ、対岸の火事ということか。また、こうした問題は、はたして本当にボランティアが拾うべきものなのだろうか。それとも行政が拾うのを待つべきなのだろうか?
 本人にとっては、もちろんそんなことを論じているヒマはない。たしかに言えるのは、日本のお役所の極めて動かしにくい体質である。まっとうに下から何かを言ってゆこうとしても、のれんに腕押し、糠に釘。木ッ端役人(失礼!)を相手に、ただ疲れるばかり。上からツルの一声でもない限り、一向に埒があく気遣いはない。上意下達的というのか、下からの意見なり要求なりが上に伝達されるということは、まずないのである。「民主主義国」日本の、なんという江戸時代的体質!
 議員だって、エラく高飛車だ。もともと贈るべきソデの下など何も持たず、頼るべき有力者など誰も持たない彼のような者は、それこそ徒党でも組んでなるべく中央に近い当該の役所の、しかもなるべく上層部にねじ込み、強訴にでも及ぶしか方法はなくなる。しかしそれにしても、なんとも疲れる話だ。重度の障害者で、そんなことができる体力を持つ者など、そうそういるものではない。仮にそれをするにしても、ポランテイア等の人の力はどうしても不可欠なのである。
 というわけで、ここらでひとつ、発想を根本的に変えてみたらどうだろう?
 「介助」は、実は新しい人間関係への窓口である。ひととひととがお互いにそのありのままのいのちを肯定し、それを直接生かしあいながら生きる、そういう素晴らしい人間関係への。そこでは、介助ヘの関わりのきっかけがボランティアとしてであったか否かなど、もう、問題ではなくなっている。ただその自発性を見事に生かしうるだけなのだ。
 介助を受ける彼のいのちは裸だ。その彼がまずは自らのいのちを肯定し、またとない幸運としてそれを祝福しつつ生きると決めることが現実には最大の契機となる。目下個別的・否定的にしか受けとめられていない介助という本来最も直接的な行為を、いのちを生かしあう普遍的かつ肯定的な行為に自ら転化しうるからである。あとはそれを確かなものとしうる環境を共に創り出し、大地や海との豊かで直接的な関係の上に成り立たせてゆくこと。金銭を媒介とした間接的な関係(市場経済)を、こうして相対化していってしまうのである。しかしこれについては、機会を改めてまた詳述したい。

介助料のおはなし
 遠藤さんの介助料って、一体どこから出て、どういう風に使われているのでしょうか?
 今回はその実体を皆さんにお知らせします。現在、残念ながらボランティアではカバーしきれない介助者のスケジュールを埋めるため、ハンズという団体に介助を依頼していますが、そこも時給が830円に値上がりして、支出がグッと増えそうです。遠藤さんとしては、介助料をもう少し払えないかと努力しているとのことです。実情は、なかなか苦しいものがありますが、会計担当の平沢さん、今後ともよろしくね。

介助料会計報告(平成5年2月〜6月)

1993.7.30
会計担当 平沢真希

[収入]
重度脳性麻痺者等介護人派遣料   1,151,200
 平成5年1〜3月分  168,640*3
     4,6月分  213,120*2
       5月分  219,040
緊急介護料80,000
繰越金 (平成5年2月まで)266,804
計 1,498,004
 
[支出]
介助料 (資料1)702,910
ハンズ (資料2)73,430
振込手数料6,386
計  782,726
[残金]  (平成5年7月23日現在)715,278

(資料1)
介助料明細
 合 計総時間数単価交通費計食費計
2月分112,100 200 14,440
3月分260,220704.520043,99024,000
4月分74,280179.030012,5808,000
5月分154,890441.530021,44010,000
6月分101,420262.030017,2205,600
(注) 3月合計は1,2月の不足分を含む
(資料2)
ハンズ明細
5月分  45,280(平成4年12月/平成5年1月,3月,5月)
6月分  28,150

おまけ……

 介助にきているみなさん こんにちわ会計を担当している平沢です。

 遠藤さんと知り合ったのは、社事大の2年のころだったので、かれこれ10年が過ぎようとしています。
 うたとお酒をこよなく愛す 田無市在住 29才 独身

 5時以降は非常に多忙なのですが、職場にいるときはとても暇なので、遠藤さんの会計の手伝いをしています。
 皆きんが書いた「介助月表」を月末でしめて計算し、介助料を皆さんの銀行口座に振込んでいるのは私です。
 とにかくあわてものなので、計算間違いとかあると思いますので、変だと思ったら遠慮しないできいてくだきい。

 それでは、末ながく楽しくお付き合いしていきましょうね