TOP
トピックス

遠藤 滋
結・えんとこ
えんとこ
ケア生活くらぶ

連載情報
 ┣ 遠藤滋一言集
 ┣ にわか歌詠み
 ┣ 調査結果報告
 ┣ えんとこ通信
 ┣ いのちの森通信
 ┗ 梅ヶ丘周辺マップ

障害者自立支援法
施行問題
支援費制度問題
映画『えんとこ』


掲 示 板
アンケート
スタッフ募集!!
リンク集
更新履歴

1992.5.30 発行

5月連休 伊豆”いのちの森”山滞在記

 山はー面の新緑におおわれ、日中はそこここでうるさいほどのウグイスの声。夜にはそれが静かなカエルの合唱に変わる…。
 甘夏はいまがまさに収穫期。それだけでなく、筍は取れる、フキや山ウドはある、アシタバもはえている…、で、今回ほどこの土地の自然の恵みを実感できた滞在はありませんでした。天候にも恵まれたせいでしょう。ぼくらの土地を左にした例の急坂を5Oメートルほど登って小さな峠をまわりこんだあたりからは、5日の朝、海ばかりでなく、向かいの山ごしに確かに富士山も望めました。
 さらにうれしかったのは、4日の夕方、とれたてのイワシを港でもらって来て、それを塩焼きにしたり、タタキにして食膳をにぎわすことができたことでした。アシタバの酢みそあえ等の山菜料理とともに、都会では味わえない幸福感にひたれたひとときでした。でも、これは実はある事件のケガの功名でもあったのです。

 5月2日、早朝に着いたぼくら車組5人に次いで、夕方電車組の4人も到着したその夜中、ぼくの身に一番不安に思っていたことが起こったのです。尿閉です。
 こんな山の中でどうしよう、と思いましたが、とにかく車で山を下り、松崎の街まで出てから119番で救急病院を探してもらうことにしました。運転をする人を含めて何人かの人が同乗してついてきてくれ、さいわい、仁科に西伊豆病院という外科病院をみつけてそこで導尿をしてもらったのですが、それまでの時間の、なんと永く感じられたことか! 膀胱は、もう、破裂せんばかりにぱんぱんになっていました。
 それでも、翌日はカテーテルをつけたまま、ストレッチャ―で山のブレハブのまわりを散歩したり、男たちがみんなで「物置き小屋」を完成させようとしているのを眺めていたり、あるいは女の子たちがそれぞれに竹を使って細工をするのを見ていたりして、外で結構気持ちよく過ごしました。そうそう、このタ方、やはり仁科まで行ってそのまま温泉にもはいってきたのですよ。
 その夜は、さらに後続組の2人が加わって、白砂さん、神下さんのカップルとあわせ、計13人もの大人数があの狭いプレハプに泊まったのですが、でも、一応完成した新しい小屋の方に3人が寝て、どうにか収まりがついたのでした。
 4日、ぼくはカテーテルを抜いてもらいに、もうー度病院へ行きました。車にはこの日に先に帰る2人が同乗していて、ぼくらを病院におくと車はその2人を下田まで送って戻ってきたのですが、帰り、すこし海を見たあとで山にカツオでも買って帰ろうと松崎の商店街に寄ったのです。「カツオはないけれど、あと30分もすれば揚がってくるよ。港で待ってるといい」というので、教わったとおりにしました。
 港の岸壁でしばらく待っていると、たしかにそこに漁を終わった漁船か戻ってきました。ところが、この日はなぜか不漁で、カツオなど一本も揚がってはいなかったのです。揚がっていたのはイカが数はいと、あとはほとんどイワシばかりでした。しかもこのイワシにしても、その場で一定量の取引をしてしまうと、値崩れをふせぐためでしょうか、のこりは全部捨ててしまうのだそうです。
 そのあたりでウロウロしていると、「好きなだけ持っていっていいよ」とのことだったので、それをもらってきてしまった次第でした。
 毎日朝7時と、午後の3時に船がつくこと、雑魚など、あまった魚を肥料にするためにここにもらいに来る人達がいることもわかりました。もしぼくに何事もなかったら、こんなことも全て知ることはなかったでしょう。怪我の功名、といったのは、そんなわけだったのです。

 西伊豆病院の医者も、なかなか親切で、誠意ある人でした。ぼくの突然の尿閉でみんなをすっかりふり回すことになってしまったけれど、これからはこういう病院があるということで、なんとなく精神的に安心できます。こんなことは二度とあってはほしくないことだけれど、みなさん、ありがとう!

 それから、3日の日にストレッチャ―で外にいて、まわりを眺めながら改めて考えたことがあります。この土地の使い方についてですが、それについては追い追い言ってゆきます。とにかく、これだけ拓いてみると、最初の印象よりはずっと険しくはなく、まちがいなく平らにできる所がけっこう広くとれるという確信を新たにしたことだけは間違いありません。八木山からここまでの山道だけは、いかんともしようがありませんが…。
 5日の帰り、主に高速道路の上で渋滞にあいはしましたが、それもゴ―ルデンウィ―ク最終日の日中にしてはさほどでもなく、とにかく幸福な気持ちで帰ってくることができた今回の伊豆行きでした。

遠藤 滋

入院します

 ぼくこと遠藤滋、6月1日より都立神経病院に入院します。諸検査のための入院ですが、1ヶ月ほどかかる予定です。
 ここ1年あまりの間、あまりにからだの機能の低下が著しく、また尿閉などあちこちに身体的変調も多かったので、ー応念のために神経系統の余病の併発を疑ってみることにしたのです。
 そんなわけで、入院中の介助体制は必要ありません。しかし、退院後は早速また介助が必要になりますし、今までにもましてしっかりした体制を組む必要が出てくることが予想されます。手をゆるめず、介助者集めは続けてゆきたいと思います。
 入院中、病院への連絡はできますが、伝言だけで、ぼくが直接電話に出ることはできません。留守宅には足立君にいてもらいます。連絡のネットワークの要(かなめ)になってもらいますので、必要な場合は、彼を介してご連絡ください。
 それでは、くれぐれもよろしく。

伊豆へ行ってきました

 伊豆は、海あり山あり自然豊かなところでした。山に入って夏みかんを自分でつんだり、竹細工をもくもくと作っていたり、いろんなことができました。山をながめながら丸太にすわって竹細工をつくるのって、何時間やってても全然あきなくって。やすりをかけた完成品を遠ドさんにもおすそわけしたいと思います。  (小倉)

 伊豆に行って感じたのは、1日がいつもの1日ではなくて、日が暮れていくのがとても気持ちよかったということです。やりたいことをやってとても自然に人間らしく生きていたように思います。伊豆での4日間の生活は、私に何かとても大きな影響を私に与えてしまったようです。このような体験をさせていただいて、みなさん本当にどうもありがとうございました。またうまい空気の中で薪で料理をしたいです。  (藤井恭子)

 念願の伊豆に連れて行ってもらって、だーい満足です。エンドーさんはじめみんなとてもいい顔して、山の空気をいっぱいすいました。大学の4年間でいちばん楽しいGWだったなー。もっと楽しいこと色々できそう。また行こーね。  (わしずもなみ)

 お風呂はないと言われ、トイレもちょっと・・・。水道もありません。でもきっと楽しいよ!って先輩にさそわれた時、はっきりいって少しいや、大いに不安でした。けれど、今は本当に楽しくて行ってよかったです。もう少し海もみたかったけれど、遠藤さんと山あいからみた海と白い船は最高にきれいでした。  (斉藤浩子)