TOP
トピックス

遠藤 滋
結・えんとこ
えんとこ
ケア生活くらぶ

連載情報
 ┣ 遠藤滋一言集
 ┣ にわか歌詠み
 ┣ 調査結果報告
 ┣ えんとこ通信
 ┣ いのちの森通信
 ┗ 梅ヶ丘周辺マップ

障害者自立支援法
施行問題
支援費制度問題
映画『えんとこ』


掲 示 板
アンケート
スタッフ募集!!
リンク集
更新履歴

  第16号
1991年4月発行


 新しい年度がはじまり、早一ヶ月が過ぎ去りました。
 忘れた頃にやってくる”えんとこ通信”です。
 まがりなりにも編集者をつとめて早一年、今度の号が一応、私の編集する最後の”えんとこ通信”になってしまいました。今度からは、サンシャインの寺尾君、剛君、福島君の3名がやってくれることになりました。
 いつ、とだえるか!? と心配されていた通信ですが、こうして細々とでも続いていってくれる・・・、ありがたいことです。今後とも、”あー、また来たのかよ”などと言わずして、読んで下さることを期待しております。

 まず、今年の春卒業された人たち(のうち数名)から、メッセージが届いているので紹介します。

 私は、こんど印刷屋に就職します。何か印刷のご用命があれば(ただし金になるヤツ)ヨロシク。  かんけ

 物事には、それをやるに適わしい時期がある様です。もっとも、僕の場合いつもずれていましたが・・・。ただ、介助に関しては、その時しかできそうもないと言えるときにやっていた様な気がします。
 介助者には、楽しい仲間が多かった。介助全般について、僕には向いていないと思いながら(というより、他に関心が移っていくのを自分自身の内に感じながら)それでも居残ったのは、そんな仲間に加えてほしかったからだと思う。僕は、こうした正直に話せる人を大切にしたいと思う。  足立 健司

 UYAの思い出といえば、お酒を飲みながら、説教されたり、悩みを聞いてもらったりしたことが忘れられません。このようなものでいいでしょうか。UYAのお仕事ごくろうさまです。お元気そうで何よりです。  長谷川 健

 東京都は北の果て、北区に居住を移し替え、毎日新橋のヘンな会社に通っています。今は見習いみたいなものだけど、いずれはいろんな冊子の編集作業をやるのでしょう。
 けっこうたのしくやってます。  中川

 

ケア生活くらぶ

事 務 局 開 設 に む け て

 伊豆・いのちの杜農場建設のためのブレハブ拠点の完成に伴い、わたしたちはこの4月をめどに、いよいよ『ケア生活くらぶ』の公の活動を開始することにしました。
 ついては、この遠藤滋宅に東京事務局をおき、仕事を進めたいと思います。
 東京事務局は、会全体に関わる事務の他、東京に建設するケア生活館のための諸活動の準備を行ないます。
 とはいっても、遠藤はいま、ひとりではなかなか電話もとれない状況にあります。昼間には、介助者もほとんどいないのが現状です。
 そこで、さしあたりたとえ週1日でも事務局を開き、遠藤とともに仕事を進める人を会の賛同者の中から募りたいと思います。何人かのローテーションで、ひとりあたり月一回以下の頻度でもかまいません。
 介助者0Bの方、また現役の方でも、もし賛同者があれば、ぜひ知恵と力をお貸しください。よろしくお願いいたします。
 やがて多くの人がここに集うようになることを願いつつ・・・。

遠藤滋

1991年2月23日

 


 最近、遠藤さんの介助に入ってくれる人がなかなか見つからず困っています。ほんのわずかの時間でも結構です。時間のあいている方、よろしくお願いします。
 以下、勇君が介助について思うところを書いてくれているので、ちょっと御紹介します。

介助者雑記ノートより

遠藤さんの介助に来るみなさんへ

勇 健輔

PART T
12/14
    (略)
 遠藤さんの介助へ来る皆さんへ。
 ここは、来るも帰るも、自分の勝手でいいんです。たまたま近くまで来たから、休ませてもらおう。飯を食わせてもらおう。寝かせてもらおう。そんなんでいいんです。ねじろにしたってかまわないところなんです。
 みんな考えすぎてんじゃないのかな。
 遠藤さんのうちでありながら、遠藤さんにそんなに気を使わなくていいんです。有難くて、便利なところなんですよ。ここは。
12/15
 発作をおこすようになってから、ろくに大学へ行かなくなった。当然、友人とロをかわすなんて事はほとんどなかった.誰かと話をしたくて、寂しくて、切なくなった時、僕は、遠藤さんちへ来ました。遠藤さんは「ひとりぼっち」とめげてる僕の話を開いてくれました。はげましてくれました。時には他の介助者とも話をしました。でも、何より、遠藤さんがいるから、僕は「ひとりぼっち」じゃなくなりました。
 遠藤さんちは、いつも暖かかった。これから、僕がどんな人間になるか分からない。大物になるか、平凡な者か、日陰者になるのか。でも、人恋しくて寂しくなった時、きっと、遠藤さんちの暖かさを思い出して、きっと涙をこぼすでしょう。でも、今、何故、冷たくなってしまったんでしょう。遠藤さんは「いつかこうなることもあるとは思っていたけどね。」そんな寂しい事を言いました。できれば僕の力で、また、暖かい遠藤さんちに戻したい。自殺を考えていた頃、「生きる事の素晴らしさ」を教えてくれたのは、遠藤さんだったから。
 世界地図をバラバラにして、「心の地図をかきましょう。」僕は、いつでも暖かい所に、遠藤さんちをかくでしょう。心の中で冷たい雨にぬれた時、遠藤さんちへ歩いていくでしょう。

PART U
 僕は遠藤さんを「年の離れた友達」だと思っています。一緒にコーヒーを飲む。飯を食う。酒に酔う。一緒に眠りにつく。いつも二人して同じ事をして、どうして、遠藤さんを介助の対象物とみるのですか。どうしてそんなに気を使うのですか。僕には分からない。

PART V
 遠藤さんは、自分1人では何もできません。だから、誰かに自分の身をまかせなければ、生きていけません。遠藤さんは無防備です。体はもちろん、心までも。だから、遠藤さんが口にすることは、その全てが本音です。(僕はうそつきは大嫌いです。「己の欲せざる所、人にほどこす事なかれ」だから僕もうそは決していいません。残酷なほど、時も場所も人もわきまえず、僕はうそをつきません。)遠藤さんと会話をする時、その言葉の全てが本音だと、頭に入れておいて下さい。今まで気づかなかった人は。

PART W
 全てにおいて完全な人間はいません。その人間がやる事。考える事、つくる事。全てが完全でない事は当然です。だから、遠藤さんの介助も、誰がやっても完全ではありません。「こんなもんでいいのかな」それでいいんです。

PART X
 今日は11時半頃おきた。少し時間があったから1〜5時まで遠藤さんの介助に入った。そんなもんでいいんです。もっと短い時間でもいいんです。

 遠藤さんの介助へ来る皆さんへ

− イサミ ケンスケ −

 

<酔いどれ少年夢日記>
1月7日(月)
 座位保持装置(体に合った椅子)支給認定のため、都身障センターへ。
1月11日(金)
 福社事務所のケースワーカー、渡辺さん訪れる。椅子とワープロの支給手続きなどの件で。
1月30日(水)
 在宅ケア研究会の実態調査で、荻野君ら訪れる。
2月6日(水)
 ナムコで開発中のパソコンソフトと入力装置を持ってきてもらい、それを使って足で操作してみる。また、でく工房、椅子の寸法を計りに来る。福祉事務所より2名、都補装具研より1名が立ちあう。
2月8日(金)
 テレビ朝日、ケア生活くらぶ農場の取材の件で来訪。
2月15日(金)
 テレビ朝日、取材打ちあわせ。
2月16日(土)
 ケア生活くらぶの賛同者、神下たか子さん訪れる。
2月21日(木)
 テレビ取材、突然中止。
2月25日(月)
 でく工房の椅子の見積書を持って、ケースワーカーの渡辺さん訪れる。
2月28日(木)
 介助者会議。

 

 いろいろなこと(自分の思いからも)にとらわれないで気持ちよく生活するということは案外難しいことです。でも、100%は無理でも30%くらいは自分の努力次第で可能だと信じたいこの頃です。
 自分の好きなこと、やりたいことを一生懸命にやっている人もステキだけど、望まないことにその人のエネルギーの多くを費やさなければならない人もまたそういう状況に置かれてしまう時期もあるでしょう。そういうことをいつでも正直に評価できるようでありたいと、当たり前のことですが、思ったりします。皆様、お元気でーーー。