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遠藤 滋
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ケア生活くらぶ

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  第12号
  改題第6号
1990年10月1日発行

 橋ロ健二君は、いま、光明養護学校の高等部二年生です。去年の暮、ぼくが退職した時には、受け持ちクラスの生徒でした。
 ことしの夏、介助のひとを二人ともなって、ぼくの部屋に遊びに来ました。
 その橋ロくんが先月、手紙をくれました。『だから人間なんだ』を読んでの感想です。
 こんなに丁寧に読んでくれたひとは、これまでそんなに多くはありません。ぼくらが伝えたいことを、しっかり受け止めているな、さすがだな、と感じました。
 かれについては他にも書きたいことがあるのですが、今はやめておきます。ともあれかれの手紙を、そのままここに紹介します。(遠藤)

 遠藤先生こんにちは。この間は、本をどうもありがとうございました。
 夏休みの間に、先生からもらった本を読み終えたので、感想を書きます。本の中で、強く印象に残ったことだけを書きます。
 「障害者の生活と労働」というところの、「二、生活に根ざした労働を」というところに、障害者総体が社会的にも物を生み出し、役にたつ存在としての社会的位置を確保するためには、消費したものをごみとしてすてるのではなく、すべて土に返していく生活サイクルをとり入れるべきだ、といぅことが書いてありました。それを読んで、前に学習科の宿題で、先生に仕事のことについて、インタビューしていた時のことを思い出しました。その時先生は、将来どこかに土地を買って、農場を作ったり、にわとりを飼ったりして、自給自足の生活をしたいと言っていました。その時は、遠藤先生は趣味として、農場を作りたいと言っているのだろうと思いました。この本を読んで、それは、趣味だけではなく、きちんと考えのあることだったんだなあと思いました。こんなにスケールの大きいことを考えているとは、思ってもみませんでした。
 消費したものをすべて土に返していくことは、すべての生命を尊重して、生かしているものであると思いました。その土作りをきっかけにして、石けん作りをしたり、焼き物を作ったりして、障害者の社会的位置を確保していくなど、色々考えているのだなあと思いました。
 僕は、今まで自然にはあまり興味がなかったので、遠藤先生が考えているこのようなことは、考えもしませんでした。だから、すごいことを考えているなあと思いました。考えてみると、昔は自然と共に生きるのが当たり前だったのに、急にそうではなくなってしまったのですね。だから、土に返すことは当たり前のことだし、そうすべきことだと思います。
 この本の中に、否定される生命の存在を一つでも許きない、ということで、本人の意思の及ばないところで、死を確実なものにされてしまう安楽死や脳死、戦争による殺人、国家による殺人(死刑制度)、核によるすべての放射能公害などに反対する立場を貫いていく、というようなことがあちこちに書かれていました。否定される生命の存在を一つでも許さないというのが、徹底しているなあと思いました。
 死刑制度を反対する、というところを読んだとき、正直いって驚いてしまいました。今まで僕は、死刑は自分にはあまり関係のないものと考えていたし、死刑を宣告された人は、それだけ悪いことをしたのだから仕方がないと思っていました。でも、死刑は国家による殺人であると書いてありああ、そうだったのか、死刑というのも、他人の手によって生命を奪うものだったのかと思い、改めて、生命を奪うことはいけないことだと思いました。だから、死刑制度を反対することはもっともなことだと思いました。
 僕は今まで、ほとんど死刑のことについて考えたことがありませんでした。だからこれから、死刑制度のことについて、考えていく必要があると思いました。
 この本を読んで、読むたびに色々なことを考えました.遠藤先生は、色々なことに目を向けているなあと思いました。それから、「ありのままの生命を祝福し、すべての生命を尊重する」というのが基本なんだなあと思いました。このことは、だれにでも共通することだろうと思います。
 この本の最後に書かれている、障害者の五原則は、だれにでもあてはまることで、当たり前のことだと思います。それゆえ、五原則の「自分から逃げないこと。」「自分で決めること。」などのことは、厳しいことでもあると思います。
 またそのうち、遠藤先生のお宅にうかがいます。それではお元気で。さようなら。

1990年9月8日 橋口健二


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 文庫いのちの森2
 「だから人間なんだ」
 遠藤滋/白砂巌 編者
発売元
 ケア生活くらぶ出版部

  募集
 伊豆の農場地にプレハブが建ちます。9月から整地がはじまっていて、今、白砂さんがひとりでやっています。お手伝いできる方、御連絡を

 遅ればせながら、剛クンの原稿を御紹介します。

 <伊豆に行った思い出>
 僕は7/20〜7/21(1泊2日)と8/17〜8/19(2泊3日) 2回伊豆に行きました。
 7/20〜7/21の時はタ方の海に散歩に出て浜というか磯に降り、はじめは足だけをつけるつもりだったのが誰かが誰かに水をかけ始めたのをきっかけに服がビショビショになりその後暗くなった港へ次々と飛びこみはじめたことがー番印象にのこっています (大野、寺尾は最初に水をかけはじめたのは「剛だ」と言ってますが僕じゃないだろう!)
 8/17〜8/19の時は海水浴に行った事。波勝崎で野性の猿を身近で接したこと(野性の猿は、目をあわせると飛ぴかかってくるんですヨ)が―番印象に残っています。
 僕は今まで海のさち(刺身)は苦手で食ベられませんでしたが今年ニ回伊豆に行き少しは海のさちが食ペられるようになりました。
 みかん畑も広くこれからの進展が楽しみです。
 (今度 伊豆に行く時は大勢の人でいきましょうヨ)
 (伊豆以外でもみんなで集まって遊びにいこうヨ)

(剛)


 さて、天下の米山さんが”米山きこり”と名前もあらたに再び舞台に(主演か??)登場します。
 えーい、余白があるのでチラシをどどーんと載せてしまおう。
 ”笑う門にはLucky come come”
 どんなストーリーなのか皆目見当がつきませんが、皆さんお誘いあわせのうえでかけましょー。

   <編集後記>
 うー、卒業をひかえた今頃の時期ってけっこう煮つまっちゃうのよね。
 あー、早く“春”が来ないもんかしら・・・。