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遠藤 滋
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ケア生活くらぶ

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  改称第一号
1990年5月1日発行

編集長からのご挨拶
 お久しぶりです。よねやまです。
 今回は何といっても金子センセイの原稿があります。もう私は嬉しくて嬉しくてフトンの中でニヤニヤしてしまった位です。
 皆さん!!どーか これからも どんなことでも あなた色の原稿 およせ下さい。みんなでにぎやかなつうしんにしていきませう。
 さて、私事ですが唐突に仕事にありつき、唐突に神奈川県民になります。私自身とまどってます・・・!!
 で、このつうしん。今回は遠藤氏に編集をうけおっていただきましたが、皆サンの中で「やるべぇ」といって下さる方! 是非編集を手伝っていただきたく思います。お願いしやす。
 遠藤氏も 伊豆に土地を購入し 全てまた すたぁとです! これからだよん。
 ではではまた お会いしましょう。

米山裕紀子

そこでまず土地の話
 白砂氏と共にかねてより伊豆に探し求めていた土地を、このたびとうとう購入しました。
 場所は伊豆半島の南西部。松崎の街から、車で10分あまり入った山中です。
 広さは約3,000坪。ここで、ケア生活くらぶ『いのちの森(交流)農場』の計画を実行に移します。
 付近は伊豆随一の秘境といわれる、蛇石火山の原生林の北側にあたり、眺望も素晴らしい場所です。日当りもよく、全体に南東向きの斜面なので強い西風もあたらず、ぼくらが買える土地としては、まずまずの条件です。
 いまは、その七割がたが甘夏のみかん畑。竹林や、マテバシイの林、それに雑木の疎林を含んでいます。かなり大きな、杉の木も生えています。
 史跡の多い、港と温泉の町、松崎。そこから海岸沿いに北へ車で5分ほどの堂ヶ島温泉。松崎から南に、海水浴もできる岩地・石部・雲見の各温泉。野猿の生息地として有名な波勝崎。それにマーガレット畑と長寿の村、伊浜等々・・・。
 蛇石・天神原から波勝崎を巡るハイキング・コースもあり、それらの場所をにらんでみても、なかなかオイシイ場所です。
 みなさん、ぜひ一緒に行きましょう。さしあたり、井戸掘りと地ならし、そしてとりあえずの拠点となるプレハブ造りが、課題です。

 下田から車で、約50分程かかります。
 バスを使えば、伊豆急下田駅から松崎まで約55分。そこから乗り継いで、八木山まで10分あまり。あとは歩いて、1.5kmの山道。
 松崎までは、新幹線の三島駅から特急バスで約2時間15分。沼津港からは約1時間20分の、船便もあります。

 甘夏のみかん狩りなら、すぐにでもできますよ。東京から、車ででもどうぞ。5時間もあれば、着くでしょう。

最近のJRのPR 『特急踊り子号』
 本格的リゾート特急「スーバービュー踊り子号」がいよいよ登場。4月28日から東京・新宿・池袋と伊豆急下田間に3往復運転します。
 リゾート特急は、1・2・10号車の3両が2階建て。その1階にはサロン室や個室、こども室やべビールームがあり、2階には展望室やファミリー向けのポックスシートがあります。そして、普通車両はゆったり座れる回転シート。ミニロビーや読書灯もついて、しかも床を40cm高くしたハイデッカー車で見晴らしも最高です。乗った時からリゾートが始まるデラックス特急。全車指定席で、伊豆へまもなく発車です。
スーパービュー踊り子5l号 新宿8:30発→伊豆急下田11:06着
スーパービュー踊り子53号 池袋9:29発→伊豆急下田12:10着
スーパーヒュー踊り子 1号 東京14:00発→伊豆急下田16:36着
スーパーヒュー踊り子 2号 伊豆急下田11:19発→東京13:45着
スーパービュー踊り子52号 伊豆急下田13:36発→池袋16:28着
スーパーヒュー踊り子54号 伊豆急下田17:38発→新宿20:16着
*5月9日以降毎水曜日のスーパービュー踊り子号(池袋発着)ほ従来タイプの「踊り子号」で走ります。
在来型を含めて、新宿からは5往復。東京からはたくさん。所要時間、約2時間35分。

そして次に調査の話
 『ケア生活館』(モデル共同住宅)を東京のどこか(世田谷?)に建てることをもにらんで、日本の建築基準を根本的に見直すための実態調査をはじめます。
 単に障害者や老人などの、生活にケアを必要としている人の立場からだけではなく、ケアをする人の立場からもその実感や経験が生きるように、質問項目を設けています。
 だから本人も、その介助者も、いっしょに調査に参加してください。
 また、できるだけ多くの個人や団体に呼びかけて広く実例を集めたいので、ぜひ関わりのある人々にもお願いしたり、またその人々と共に調査したりしてください。

(遠藤)

<NON VIOLENCE DIRECT ACTION>
 今、世界各地で革命が行われている。平和のため、民主の為、独裁主義を倒せ!と叫び民衆が立ち上がった。それを第三者の人々は、良いことだやっと世界に平和が・・・などと言っているが、俺は一概に喜べない。何故か。暴力によって成り立った平和は必ず問題を持っているからだ。
 ルーマニアの革命、あれで本当に平和になるのだろうか。平和のために人を殺し、吊し首にして焼き殺す、その死体を勝利の証のごとく野晒しにする。またチャウシェスクも同じ様に人権を無視(?)した裁き。そして死刑の瞬間を公開・・・。これで本当の平和になれるのか? 心配である。
 暴力を暴力で倒せば必ず憎しみを生む。フィリピンの革命のようにハンドフェンスで戦車を止め降参させたようにできなかったのか。今後ルーマニア新政府に疑問や異見を持つ者が人権を奪われ民主独裁化にならないことを願う!
 最後に、俺は非暴力直接行動が本当の平和えの道だと考えている。

文責・破流(Y.OHKURA)

<酔いどれ少年夢日記>
3月31日(土)
 卒業生お祝いコンパ。雨降りでお花見はできなかったが、盛会。
4月2〜3日(月〜火)
 伊浜の斉藤さんに紹介された土地を見に、伊豆ヘ。菅家が同行。
4月12日(木)
 土地を購入。
4月13日(金)
 ブラハ室内オーケストラのコンサートを聴きに、サントリー・ホールへ。矢崎真美さんが一緒。
4月24日(火)
 『えんとこ通信』の代理編集を始める。

 ただいま、ドラマ『愛してるなんていわない』のシナリオ執筆中。

 今回の号から、『介助者通信』のタイトルを『えんとこ通信』に改めました。その顛末については、次号で。


何じゃ・患じゃ

金子 秀一(光明・教員)

 小生、ただ今「しょうがいしゃ」をやっております。
 スキーで転んで(マル秘です)、左ひざの靱帯切断、軟骨破損。脚はギブスで固定され、トイレ以外は身動きならぬベッドの上。

 入院まで1週間ほど待たされ、その間わが国分寺の街を松葉で歩いたのだが、いやその疲れること疲れること、汗がビッショリ、体はグッタリ、とにかく前へ進むのがやっと、階段を昇るのに必死。
 そして息を休め、顔をあげたとたんハタと気がついた。
 「みんなのオレを見る目が違う!!」(固定帯はズボンの中に装着し、背中にナップザックをしょいサングラスをかけていたので、ケガ人のようには見えない格好だった)
 必要以上に私の進路からよける人、松葉杖が珍しく私に寄ってきた小さい子供をさっと引きとるお母さん。デパートで買い物をすると、「お値段よろしいですか?」と確認する店員(「独身貴族」の私に向かって無礼者め!)。頼みもしないのに親切にしようとする人。
 「あっ、オレは『しょうがいしゃ』なんだ」
 体じゅうで自覚。なんだか妙に新しいような、別の世界にポンとほうりこまれた気分。不思議の国のアリスのようであります。

 病院もまた、シャバとは別世界。なんと言っても不自由この上ナイ。ギブスとベッドはやむを得ないが、約2m四方のわずかにビニールカーテンで仕切られた場所には、まずプライバシーがない。そりゃ個室ベッドじゃないから、ぜいたく言えないが、それでも個人的空間は欲しいよね。患者にだって生活はあるんだから。
 6人部屋に天井灯が2つしかないので、かなり暗い。おまけに窓側の人がカーテンを引きっぱなしなので、私のところには陽も差さぬ。起床6時半は良いが、消灯は9時。寄宿舎より早いのだ。ピッタリに全灯が消されてしまう(せめて「延長15回」までやってっくれ!ン?)
 食事がまた大変。なにせ皆食べるのが早いのだ。スピードがね。10分もすると食器をガチャガチャと置く音がして、<付添婦>という人(この人はとなりの患者の付添なのだが、他の人の世話も少しやってくれていて、この部屋のことは彼女の運営するところとなっている具合)が終わるや否や食器を片づけていってしまう。私も世話されている身ゆえ、のんびり食べるどころではなく、あわててかきこむ次第。病院では、食事(エサ)は義務である。
 確かに病人に時間はある。足のケガの入院だからむしろ良い休養で、ゆっくり本なども読める、とお思いでしょう。しかし、現実はさにあらず。

 周りから決められた時程の中で、モノを食ってモノを出し、その間に検温・血圧・服薬・点滴・回診(主治医による)時に諸検査と、まぁなんじゃかんじゃ追われるように忙しくシャバでの甘い思惑はアテ外れ。それより何より、時間があってもどんどん生活への気力がなくなってきてしまう(=病人らしくなる)。それで、本を読もう! 何か少しでも文化的活動をしよう! と思い上体を起こしても、すぐ気力がなえて寝てしまうのだ。病院生活は、個人の生活への気力の度合いを試す実験場かもしれないネ。
 おそらく、ここは反映ニッポンにおける平和的病院世界なのだろう。「ああ、スウェーデンで病人になってみたい!!」と叫びつつも身動きならぬ腰の痛さよ。心のもどかしさよ・・・と言いながら、またウトウト。
 <早く退院したいョー> これはネゴト。

(’90.4.11)