「新介護制度から“えんとこ”を守る会」(仮称)

主旨
 本年4月1日、不本意ながらついに支援費制度が導入されてしまいました。世田谷区では、当面(ここ1、2年)の間、民間事業者と並んで区(在宅サービス部)自身が指定事業者となり、希望すれば自薦登録ヘルパーの受け皿となることが決まりました。これは世田谷に住む障害者たち、およびその関係者の精一杯の運動の結果でもあるので、遠藤滋本人の決断で、とりあえずここと利用契約を結ぶ形をとることにしました。それにともなって、“えんとこ”の介助者には、基本的に資格を取る手続きをとってもらうだけでなく、指定事業者としての区と契約を結んでもらう必要が出てきます。それだけでなく、
@ 1日あたりの利用上限を16時間とする
A ヘルパーの代表登録を認めない
などのことが、区としてはっきりと決定されました。さしあたってはこれらの制約とどこかで折り合いをつけながらこの場を維持していくしかない。そのための対策としてやむを得ずこの会を設置します。

約束事(基本的な考え方)
1.“えんとこ”に「日常生活の支援」者として関わる人々は、すべてこの会に属する
2.指定事業者としての世田谷区から支給される介護手当の一定額を、この会に拠出する
3.不足した8時間分、およびもうひとり介助が必要な場合の介助料を、その中から補うとともに、電話当番・会計・えんとこ通信編集などの手当を可能な限りここから支出する
4.直接「日常生活の支援」に関わらない人であっても、会として募金を呼びかける
5.募金による余剰の金額は、たとえば新人を含めた介助方法についての交流会、あるいは支援費制度が持つ問題、憲法第25条に定める生存権の保障、さらには“いのち”を生かしあうことについてみんなで意見をかわすなど、必要な催しのために支出する
6.催しについては、具体的にはみんなで意見を出し合って企画する
7.この約束事は仮のものであり、やがて「“えんとこ”を支える会」に発展・解消するものとする
8.区内で共通の立場にある障害者、およびその介助者グループとの連携をも模索する
9.無償のボランティアを希望する人も、やはりこの会の会員とする

実際の事務処理
 そうはいっても、ヘルパーとなる個々の人たちに一定の金額を拠出してもらって、それをひとつひとつ把握し、その総額を管理することは、事実上不可能に近い。会計事務がこれまでの何倍も煩雑になってしまうからです。
それに“えんとこ”での「専任ヘルパー」には制度通りの介護料をそのまま認めたいし、時間外手当についても主に夜間の介助者にできるだけ還元したい。そういう願いのもとに、別に時間帯ごとの介助料を算出しました。あくまで内々のことですが、本人の生活実態にあわせて決めたことなので、どうかご了承願います。
したがって、上記の考え方は考え方として、実際上はこれまでの「代表登録」ならぬ、書類上の区への実績報告はいわば月ごとに何人かの「代表報告」のかたちをとることにしました。これを共通理解とし、それにご協力ください。

(2003年4月1日)