映画の『えんとこ』もぜひ一度

遠藤滋

『奈緒ちゃん』の監督であり、学生時代にわたしの友人でもあった伊勢真一が、カメラマンの安井洋一郎氏とともに“ここ"に現れて、撮りためた3年間の記録が、このほど1本の映画作品として完成しました。
タイトルの『えんとこ』とは、もちろんわれらが介助者通信の名前でもあり、いつの間にかわたし達のいるこの場所の代名詞にもなった、まさに“ここ”のことです。
今回は私が主な被写体となっており、それもアップの映像が多いということもあってか、正直なところ映画としての出来のよしあしについては、よく分からない。わたし自身と、その映像を見るであろういろんな人達との距離が、なかなか測りにくいのです。
もちろん、この3年間に“ここ”と関わってくれた多くの人達の姿も現れてくるので、とてもなつかしい。それ以前の「介助者」のその後をたどった映像もあります。
伊勢真一にとっては、『奈緒ちゃん』以後、『ルーぺ』、『見えない学校』につづく、入魂の一作のようです。そういう意味でも、ぜひ一度ご覧になって、厳しい評価を下していただきたい。
 ・・・そう言えるのも、単に友人の作品だからというだけでなく、彼の映画人としての才能に、わたし自身が感服しているからです。
ともあれ、ぜひ一度ご鑑賞を! 2年と数ヶ月前『奈緒ちゃん』の上映会を、この世田谷の北沢タウンホールで行うことを引き受けたわたしとしては、どうしても見てほしい。あの時わたしの一存で、ただでさえ不足がちの介助者を、まさに総動員してやったのだから、今回はせめてわたしにだけでも、こっそり感じたままの本当のところを聞かせて下さい。

(「ケア生活くらぶ」発起人・東京事務局担当)


製作、上映スタッフから

伊勢真一

 『えんとこ』を監督した、伊勢真一です。
 まだ出来たてのホヤホヤの映画です。この作品が世の中にどのように受け入れられることに成るのか、私には判断しかねますが、えんとこに何らかのかたちでかかわり、今も深い関心を寄せているみなさんには、ぜひ、いの一番に観て頂きたいと思います。

『こういう映画だからこういう人達に観てもらいたい』と言い過ぎることなく、色々な層の人達に観てもらいたいと考えてます。
 普段、映画を(とりわけドキュメンタリーを)あまり観ない人、障害者が題材のものは好きではないと思っている人に、ぜひ、すすめて頂けたらと思います。
 映画は観客に出会うことで、始めて映画に成るのです。応援よろしく・・・

(映画『えんとこ』監督)



 『えんとこ』はまだ産まれたばかりの赤ん坊のような映画です。今回の東京での完成上映を皮きりに全国各地で自主上映の輪を拡げて行こう、と私達は考えています。
 映画『えんとこ』という子供を育てるお手伝いをして頂けたらと思います。
 あなたのまわりでチラシを配って下さい、ポスターをはってください、前売りチケットを売って下さい。
 どうか、宜しくお願いします。

 

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