シネキタ・ドキュメンタリー・フェスティバルで
『えんとこ』夏休み劇場公開決定!!!
シネマ下北沢 7月17日(土)〜8月7日(土)
「えんとこ」他、伊勢監督 3作品 一挙上映
映画「えんとこ」の説明
映画「奈緒ちゃん」の説明
映画「るーぺ」の説明
場所: | シネマ下北沢 TEL:03-5452-1400 |
| 小田急線、井の頭線 下北沢駅 下車5分 |
| 155-0031 世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁2階 |
上映日程/ 「えんとこ」
7月17日(土) | 17時〜1回上映 | | 伊勢真一監督 舞台挨拶あり
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7月18日(日) | 11時〜1回上映 | | |
7月19日(月) | 11時〜1回上映 | | |
7月20日(火) | 11時〜1回上映 | | |
7月21日(水) | 11時〜1回上映 | | |
7月22日(木) | 11時〜1回上映 | | |
7月23日(金) | 11時〜1回上映 | | |
7月24日(土) | 17時〜1回上映 | | |
7月25日(日) | 11時〜1回上映 | | |
7月26日(月) | 11時〜1回上映 | | |
7月27日(火) | 11時〜1回上映 | | |
7月28日(水) | 11時〜1回上映 | | |
7月29日(木) | 11時〜1回上映 | | |
7月30日(金) | 11時〜1回上映 | | |
7月31日(土) | 17時〜1回上映 | | |
8月 1日(日) | 11時〜1回上映 | | |
8月 2日(月) | 11時〜1回上映 | | |
8月 3日(火) | 11時〜1回上映 | | |
8月 4日(水) | 11時〜1回上映 | | |
8月 5日(木) | 11時〜1回上映 | | |
8月 6日(金) | 11時〜1回上映 | | |
8月 7日(土) | 11時〜1回上映 | | |
| 17時〜1回上映 | | 特別1回上映:『奈緒ちゃん』 (毎日映画コンクール〔記録映画グランプリ〕) 伊勢真一+西村信子(奈緒ちゃんのお母さん)の トークショーあり
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※8/7は、伊勢真一監督作品を同時上映
・『奈緒ちゃん』(毎日映画コンクール〔記録映画グランプリ〕)
重度のてんかんと知的障害をもつ少女“奈緒ちゃん”。この映画は<彼女が家族に育まれ、家族が彼女に育まれた>小女時代12年間記録したヒューマンドキュメンタりー。
久々の東京での上映です。お見逃しなく。
◎1500円(前売り1400円)
高校生、大学生 1400円
シニア、小学生、中学生、障害者と付添一名 1000円
『ルーペ −− カメラマン瀬川順一の眠 −−』
(日本映画ペンクラブ記録映画グランプリ)
8月 8日(日) | 10時〜上映 | | 上映後、伊勢真一監督のトークショーを予定 ゲスト未定
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8月 9日(月) | 11時〜1回上映 | | |
8月10日(火) | 11時〜1回上映 | | |
8月11日(水) | 11時〜1回上映 | | |
8月12日(木) | 11時〜1回上映 | | |
8月13日(金) | 11時〜1回上映 | | |
8月14日(土) | 17時〜1回上映 | | |
8月15日(日) | 11時〜1回上映 | | |
戦前・戦中・戦後にわたって、「ルーペ」をのぞき続けた一人の映画人・瀬川順一の記録。ドキュメンタリーカメラマンを描いた初めてのドキュメンタリー映画。
お問い合わせ:『えんとこ』上映委員会 03−3406−9455 (相原、土岐)
だって、君はひとりで 勝手に何かをやってゆくことなんて 出来ないだろう?
25年ぶりの再会が始まりでした。
私は、12年間撮り続けて完成させた映画『奈緒ちゃん』をぜひ観てもらおうと、大学時代の友人、遠藤滋を訪れ、べッドに寝たきりの彼と出会いなおすことになったのです。
彼は、寝たきりの生活をもう1O年近く続けていると言います。不自由な体を引き受けながら、自立したいという強い意志を持ち、介助の若者たちの力を借りて、一日一日を丁寧に生きている彼の姿に、心を動かされました。遠藤が「俺を撮ってみないか?」とさそいかけているようにも思え、再会してまもなく私は撮影の安井洋―郎と共に、<えんとこ>と呼ばれる遠藤と若者たちの居場所に通い始めることになります。そして、ちょっとお茶でも飲みに立ち寄るような気楽さで、気ままに力メラを回し、日常のあれこれを記録していきました。
一日24時間三交代、介助の若者たちの存在抜きに遠藤は生きてゆけません。
若者たちは、遠藤とかかわることで、実に生き生きとした表情を垣間見せてくれます。命を生かし合う関係、とでも言うのでしょうか・・・・
撮影が始まって3年目の夏、遠藤と若者たちにつきあって、伊豆の海に行きました。海の中で若者たちに支えられながら、歩こうとする遠藤の姿を目のあたりにして、3年間の日々の営みの記録を、映画としてまとめてみようと思いたったのです。
自分の足で歩こうとする遠藤のように、私は生きようとしているだろうか・・・。
もう一度、会うことになるとは思っていなかった、ひとりの友人との出会いなおしから生まれたドキュメント。<えんとこ>と呼ばれるささやかな、けれども切実な居場所の空気のようなものが伝わればそれでいい・・・。
「もう一度・・・」という思いから、もう一度始めてみよう。
(伊勢 真一)
演出・伊勢真一 1999年/16ミリ/100分
撮影/安井洋一郎 音響/米山靖 音楽/横内丙午 録音/渡辺丈彦
企画/岩永正敏 制作/野ロ香織、大場健ニ、篠塚昌述 制作進行/助川満
製作/映画「えんとこ」製作委員会、一隅社、クロスフィット
上映協カ/優れたドキュメンタリーを観る会
育み、育まれる家族の幸せ
「姉に長女が生まれた。しかし、普通ではない、何かの病気のようだ」と知ったのは、記録映画の編集者だった父、伊勢長之助が亡くなった年、今から2O年前のこと。姉の長女、奈緒ちゃんの病気がてんかんで、知的障害をともなっているとわかったのは、それからさらに数年後でした。ドキュメンタリーの仕事を始めて、父にかかわりのあるスタッフとめぐりあい仕事を共にするようになった頃、奈緒ちゃんはすでに小学生になっていました。奈緒ちゃんの映画を撮りたいとの願いに、一も二もなく応じてくれたのは、父の親友だった力メラマンの瀬川順一氏、父とは師弟関係にあった音楽・音響構成の木村勝英氏、編集の熱海鋼一氏でした。
てんかんという病気には発作がともないます。奈緒ちゃんが多い日には2度、3度と起こしていた発作を撮影すべきかどうか・・・。
ス夕ッフの結論は、撮らない、ということでした。この映画の狙いはそこではない。発作を描けばインパクトも強く、病気に対する理解も得やすいかもしれないが奈緒ちゃんのその姿を見せ物にするのは忍びない。しかし、それぞれのスタッフの心の中には、事実から目を離してはいけないというプロのドキュメンタリース夕ッフとしての想いもありました。そんな想いを知ってか知らずか、12年間の撮影中、不思議なことに奈緒ちゃんは一度もスタッフの前で発作を起こしませんでした。
このフイルムには「しあわせ」が写っているとつぶやいたのは、大べテランの力メラマン、瀬川さん。「しあわせ」という言葉がなぜだかとてもなつかしく、新鮮な響きに聞こえたのを今でも忘れません。
<しあわせ、家族のしあわせ>
12年の歳月が流れて奈緒ちゃんは20歳に、お母さんは地域作業所のリーダーに、お父さんは会社や地域の要職に、弟の記一君はJリーグをめざす高校生に成長し、奇しくも父の23回忌にあたる今年、映画は完成しました。映画『奈緒ちゃん』はこれから、作品としてひとり歩きしてゆきます。多くの人に見守られることを祈るばかりです。
(伊勢 真一)
演出・伊勢真一 1995年/16ミリ/98分
撮影/瀬川順一 音響構成/木村勝英 編集/熱海鋼一 語り/伊藤惣一
制作/大槻秀子 製作/奈緒ちゃん製作委員会、デコ企画
誰も分かっちゃいないんだ! カメラマンは、いないけど、いるんだ、 映画になった時に…
「父はわがままな人でした。ステキな男でした・・・」葬儀の日、会葬者ヘのあいさつとして語った長男のことばが、瀬川さんを見事に言いあてているように思います。
私と瀬川さんとは、4O歳近くも年が離れています。そんな二人がなぜ仕事を共にするようになったかといえば、20年以上前に死んだ私の父・伊勢長之助(記録映画構成編集者)と瀬川さんが親友だったからです。もちろん年齢の差をこえ、どこか気持ちが通じあうということがあったからでしょうが。
「作品を共有するのではなく、私有し合おう。それぞれのスタッフが思う存分私有し合うことが、ドキュメンタリーの映画づくりだ・・・」という持論を持っていた瀬川さんの撮影現場は、ある時はその私有し合いのために、壮絶でもありました。
「私有し合う」といえば、聞こえは良いですが、要するに「できるだけみんなわがままでいようよ」ということで、その先頭に立って、瀬川さんはガキ大将ぶりを発揮します。ガキ大将は、時にはいじめっ子にもなります。
話し好きの瀬川さんが、何十回となく語ってくれた工ピソードがあります。それはあの戦争中唯一の反戦映画(?)として評価の高い、『戦ふ兵隊』(亀井文夫演出、三木茂撮影)の撮影現場で目撃した、演出家と力メラマンのやりとりでした。それは、後に 「ルーベ論争」と呼ばれる論争の出発点でした。演出家・亀井文夫は、指示した力ットを撮らなかった力メラマンを、ル−ペ(ファインダ―)の中でしか物事を考えない目隠しされた馬だと非難したのです。撮影助手として現場にいた瀬川さんは、生涯この問題にこだわりました。そして、撮影しなかった三木茂さんの判断を支持し、力メラマンの自立性を語ると同時に、この話は映画人の戦争責任の問題にもつながると、力説していました。私たちが、瀬川順一さんに初めて力メラをむけたのは10年前のことです。以来、折に触れ、ドキュメンタリーについて、力メラマンについて語っていただき、同時にロケ現場での生き生きした仕事振りを撮影させてもらいました。そして、瀬川さんが今という時代に向かって、語り伝えたかったことに耳を澄まして記録したつもりです。
この映画はドキュメンタリーカメラマンを描いた、はじめてのドキュメンタリーです。
(伊勢 真一)
演出・伊勢真一 1996年/16ミリ/90分
撮影/安井洋一郎 録音/米山靖 制作/渡辺哲也
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